アクティブ・リコール③

こんにちは講師のたかえもんです。今回はどういった「アクティブ・リコール」が効果的なのかをお伝えします。

「アクティブ・リコール」とは「勉強したいことや覚えておきたいことを、自発的に思い出すことや記憶から呼び起こすこと」ですが、これが現在もっとも有用性の高い勉強法と考えられています。

ですが一口に「勉強したいことや覚えておきたいことを、自発的に思い出すことや記憶から呼び起こすこと」が有用だと言っても、思い出し方には様々な種類があります。いったいどういった思い出し方が最も有用なのでしょうか?

このことについて2種類の実験があります。

英単語の一覧を渡し、被験者になるべく多くの英単語を覚えてもらいます。その際に何回も小テストを行い、最後に本番のテストを行います。

小テストは

英単語の最初のアルファベットだけヒントが出されている小テスト

白紙に覚えている単語をできるだけ多く書き出す小テスト

という2種類があり、こうした小テストの形式の違いが本番のテストに与える影響を確かめます。

本番のテスト結果は、「②白紙に覚えている単語をできるだけ多く書き出す小テスト」を解いていたグループの方が多く単語を覚えていたというものでした。

複数の選択肢から正解の選択肢を選ぶ問題

答えを自分で書く問題

という2種類の形式の問題のうち、どちらの問題形式で練習した方が記憶の定着が良いのかを確かめてみました。

結果は、「②答えを自分で書く問題」を解いた方が記憶への定着が良いというものでした。

この2つの実験からはっきり分かることは、「ヒントなしで、なるべく自分の記憶から引き出そうと練習する方が記憶の定着は良い」ということです。

ノーヒントで思い出すのはかなり大変です。思い出せなくてイライラすることが多いですし、心情的にも辛く感じることが多いです。

ですがこの思い出し方は、場所を選ばないという利点があります。登下校中などのちょっとしたスキマ時間に、勉強したことを思い出すということも立派な「アクティブ・リコール」です。手元にプリントやノートがなくても、思い出そうという気持ちさえあればすぐに実行できます。

思い出すこと、特にノーヒントで思い出すことが最も記憶に残る学習方法ですが、中には覚えにくいものもあります。そうした手ごわいものを覚えるのに効果的な、プロダクション効果やプロテジェ効果というものについて次回はお伝えします。