私の読書遍歴②〜小・中学校時代〜

小学生の時は野球漫画の「ドカベン」が同級生の間で流行っていて、私も夢中になっていました。最初は友達に借りて読んでいたのですが、自分でも欲しくなり、なけなしの小遣いを握りしめて隣町の書店に自転車を走らせたものです。

高校野球の名門「明訓高校」やそのライバル球児たちを描いた漫画で、個性的なキャラと彼らの生き様に惹かれました。

「ドカベン」と同じ作者(水島新司先生!)の「一球さん」という漫画はもっと好きになりました。世間では「ドカベン」の方が圧倒的に人気だったのですが、私は個人的に主人公の真田一球の天真爛漫な人柄に心底惚れ込んでしまい、「一球さんにみたいになりたい!」と思っていたほどです。一球さんをパクったオリジナルの漫画もこっそり描いていました(笑)

あとは、ある趣味に関する書籍を読んでいました。私が子どもの時はインターネットなんて言葉すらない時代だったのですが、それでも海外の人たちとアクセスする方法がありました。それは、BCLというもので、ラジオの短波放送を使って海外のラジオを聴く、という趣味のことです。いくつかの国では、日本語放送もやっていました。海外の放送局に「受信報告書」というものを送ると、そのお礼として「ベリカード」という、絵葉書のようなものを送ってもらえるのですが、それをせっせと集めていました。要するに、今で言う「オタク」ですね(笑)ベリカードは、それぞれの国の特色ある風物の美しい写真が載っていて、集め甲斐のあるものでした。あと、自分が出した手紙が海外の放送局で読まれたこともあり、この時は天にものぼる気持ちでした。

で、小学校高学年の時は、このBCL関係の本や雑誌を読み漁っていました。ようやく絵本でも漫画でもなく、文字の本を真剣に読み始めたのです。

中学生の時に夏目漱石の「坊ちゃん」を読みました。たしか、夏休みの読書感想文を書くために読み始めたのですが、めちゃめちゃ面白かったです。

なんか、文体がかっこいいんですよね。パキパキとして、真っ直ぐで、てらいのない、まさに「坊ちゃん」の性格をそのまま表しているような文体に夢中になりました。主人公の坊ちゃんが自分のことを「おれ」と言っているのも、なんか文学っぽくなくて好きでした。影響を受けすぎて、しばらくは作文がみんな「坊ちゃん」みたいな文体になってしまいました。作文なのに「おれ」とか言っちゃってました(笑)

同じく夏目漱石の「我輩は猫である」も読んで、こちらも面白かったのですが、やたら長い上に「坊ちゃん」ほどテンポがよくないので途中で挫折し、インチキして最後の数ページだけ読んでしまいました。ネタバレになるので書きませんが、ラストシーンだけやけに心に残っています。今さらすぎて何ですが、夏目漱石の文章は本当にすごいと思います。中学生の心にもビシバシと響いてくる感じでした。頭悪そうな表現でスミマセン(笑)

(ちなみに写真はうちの愛猫「くう」ちゃんです)