この夏に読解力を身につけるには③
こんにちは講師のたかえもんです。
今回は読解力を高めるために大切な読書についてお伝えします。
いきなりですが、読書と読解力の関係について、よくある誤解について触れます。それは、「読書をすれば、読解力が上がる」というものです。
たしかに、読書をよくする人は読解力が身についていることが多いです。しかし、読書をよくする人の中にも、読解力に問題をかかえる人がいます。つまり、読書をしても読解力は上がるとは限らないのです。
読解力を上げるためには、そのための訓練をしないといけません。主語と述語の関係を意識する、接続語に印をつける、言葉の知識を増やす、背景知識を蓄えるなど地道な訓練が必要です。
では、読解力を上げるのに読書はまったくの役立たずなのでしょうか?
いいえ、そうではありません。
たしかに読書をしたからと言って、読解力が上がるとは限りません。しかし、読解力を身につけるための基礎作りとして読書はとても大切なのです。
読書をするということは、スポーツに例えると「基礎体力作りや筋トレ」にあたります。
スポーツには野球、サッカー、テニス、バスケ、水泳、陸上競技などさまざまなものがあります。それぞれの競技に必要とされる技能は、当然ながら異なります。ですが、どのスポーツであれ上達するために必要なものは共通しています。
体力や筋力です。
いくら優れた技能を持っていても、体力や筋力の限界がすぐに来てしまうようでは、ベストパフォーマンスを維持できません。スポーツの上達には、土台となる体力や筋力がとても重要です。
読解においても同じことが言えます。
文章を読み解く力がどれだけあるとしても、文章を読んでいる途中で集中力が切れてしまえば、望む結果は得られません。
定期テストの実力問題や、入試問題で出される文章は長いです。その長い文章を、制限時間内に集中して読み切る力が求められます。
そのため、細かいテクニック以前に「集中を切らさずに文章を読み切る力」が必要不可欠です。
これが読解力を身につけるための基礎です。
では、どうしたら「集中を切らさずに文章を読み切る力」を身につけることができるのでしょうか?
その答えは読書です。多くの本を読むことです。
夏休みで学校の授業がストップしているこの時期だからこそ、たくさんの本を読み、文章を読み通す力を身につけることに挑戦してみてください。
しかし、「読む本を何冊も持ってない」という人は多いと思います。
そこで役に立つのが図書館です。図書館にはさまざまな種類の本が置いてありますし、無料で借りることもできます。
図書館を利用して本を借りる際に、1つアドバイスがあります。それは「借りる本は1冊だけでなく、借りられるだけ借りる」というものです。これを実行できると、図書館で本を借りる際によくある失敗を回避することができます。
「よくある失敗」とはどういうものなのかと言いますと、「借りてみたけど自分に合わなくて、読めなかった」というものです。
借りるときは良さそうに思えても、家に持ち帰って読み進めてみると「違うな」と感じることはよくあります。そうなった時に、その本しか借りていなかったら、それ以外に読むものが手元にないことになります。
それを回避するために、良さそうと思った本を借りられるだけ借りておくのです。そうすれば、読み通せそうな本に当たる確率が高まります。
例えば小田原市の図書館なら、最大10冊まで2週間借りることができます。ですので、良さそうな本を一度に10冊借りてみてください。10冊中1冊でも読み通せることができれば大成功です。
ですがそうは言っても、何を借りれば良いか、どのコーナーを見ると良いのかということに悩む人がいるかもしれません。
そうした人におすすめなのが、児童図書コーナーにある本です。
「児童図書」と聞くと、ちょっと抵抗があるかもしれません。しかし、中学生や高校生、場合によっては大人が読んでも面白い本はたくさんあります。
たとえば、ファンタジー小説で有名なハリーポッターシリーズはこのコーナーにありますし、他にもおもしろいファンタジー小説もたくさん置いてあります。
ファンタジー小説以外にも、推理ものや歴史もの、恋愛ものに冒険ものなどさまざまなジャンルのものが図書館の児童図書コーナーにあります。ちょっとでも心ひかれるものがあったら遠慮なく借りてみましょう!
またそれ以外におすすめなのがレファレンスサービスの利用です。なんだか難しそうなカタカナ語ですが、簡単に言うと「図書館で働いている人に、読んでみたい本が置いてあるか聞いてみること」です。
読んでみたい本が具体的に決まってなくても、「こんな本はありませんか?」と図書館で働いている人に聞いてみると教えてくれます。
「そんなことを図書館で働いている人に聞いていいの?」とためらう人もいるかもしれませんが、大丈夫です。レファレンスサービスは、図書館で働いている人のちゃんとした仕事です。聞いてまったく問題ありません。
さて、話が長くなってしまいましたがまとめます。
・たくさん本を読んだからと言って、読解力が向上するとは限らない。 ・しかし、たくさん読書をすることで、文章を読み通す力が身につく。 ・たくさん読書するためには図書館の利用がおすすめ。 ・図書館で本を借りるときは、なるべく多くの本を借りる。 ・借りる本に迷ったら、児童図書コーナーを見てみる。 ・図書館で働いている人に質問するレファレンスサービスの利用もおすすめ。 |
夏休みというゆっくりできる時間を活用して、たくさん本を読んでみましょう!