この夏に読解力を身につけるには②
こんにちは講師のたかえもんです。
前回は「文章を読むという行動は訓練を積む必要がある」というお話をしました。今回は「具体的にどんな訓練をすると良いのか」についてお伝えします。
まず取り組むべきは音読です。
文章を読むときに「読み飛ばしてしまう」人は多いです。
これは悪気があってのことではありません。無意識のうちにそうしてしまうのです。
残念なことに、無意識のうちに「読み飛ばしてしまう」状態では、どんなにポテンシャルを秘めていてもそれを活かすことができません。
その状態を改善するのに効果があるのが音読です。
実際に声に出して文章を読むと、自分の読み飛ばしに気づくことができます。声に出さずに黙って読んでいると、読み飛ばしても気づけないことがありますが、音読すると気づくことができるので音読は大切です。
音読を練習するにあたっておすすめの教材があります。
それは齋藤孝『国語の力がグングン伸びる1分間速音読ドリル』です。
このドリルは、1分以内に音読することを目標にした文章が、全部で40用意されています。
この1分以内という目標設定がミソです。
普通、音読の練習は、目標がよくわからないことが多いです。目標がわからないと、練習を終わらせるタイミングがわかりません。そうなると、成長を実感できず、練習を積み重ねられません。
ところがこのドリルは、1分以内という時間設定があることで、クリアすべき目標が明確になっていてます。そのためタイムトライアル感覚で、楽しく練習を積み重ねられる工夫がされています。
難易度も段階を追って上がる構成になっています。そのため、無理なくレベルアップができます。小学校4年生で習う「ごんぎつね」から始まりますので、とりかかりやすくておすすめの1冊です。
音読以外にもう1つ取り組んでおきたいものがあります。それは漢字です。
漢字の力と文章を読む力には、相関関係があります。
漢字が苦手な人はうまく文章を読めない、という傾向があります。夏休みに入り、復習する時間があるこの時期だからこそ、読解力アップのために漢字の復習を徹底的に行いましょう!
音読と同じく、漢字の復習にもおすすめの教材があります。
それは日本漢字能力検定協会『漢検10級 漢字学習ステップ』から始まる漢字学習ステップアップシリーズです。
このシリーズは漢検対策の本ですが、漢字の復習教材としても非常に優れています。
ただ読み書きができるようになるだけではなく、書き順や部首の知識まで身につく構成になっています。
漢字に関する教材は他にもたくさんありますが、その多くは機械的に読み書きの練習をさせるだけのものです。ところが、この漢字学習ステップアップシリーズは、漢字についてのより根本的な理解を深められる構成になっていてます。そのため、市販の教材の中でトップクラスに優秀です。しかも、級別の漢字に細かく分かれていますので、自分がつまづいた学年の漢字からやり直すことができます。
漢検は10級から始まりますが、基本的には級と学年は↓のように対応しています。
10級
小学1年生修了程度
9級
小学2年生修了程度
8級
小学3年生修了程度
7級
小学4年生修了程度
6級
小学5年生修了程度
5級
小学6年生修了程度
4級
中学校在学程度
3級
中学校卒業程度
準2級
高校在学程度
2級
高校卒業・大学・一般程度
準1級
大学・一般程度
1級
大学・一般程度
簡単にまとめますと、漢検の級はおおよそ「小学生:10級~5級、中学生:4級~3級」という対応関係になってます。高校受験を考えると、3級までの漢字をマスターできると怖いものなしです。
どの級から練習をした方が良いのかと言いますと、「自分が漢字の練習をしなくなった学年から」練習をした方がいいということになります。ですが、理想を言うと10級(小学1年生)からやり直してほしいです。
夏休みで比較的時間に余裕があるこの時期だからこそ、基礎の基礎から漢字の復習をしてほしいです。そうすることで、夏休み明けに見違えるような成長ができます。
また、このシリーズは漢検対策の本なので、練習ができたら実際に漢検を受けてみるのもおすすめします。しっかり練習出来たら1発合格も十分ありえます!
話をまとめます。
・音読の練習には、齋藤孝『国語の力がグングン伸びる1分間速音読ドリル』がおすすめです。 ・漢字の練習には、漢字学習ステップアップシリーズ がおすすめです。 |
次回は、読書についてお伝えします。