この夏に読解力を身につけるには①
こんにちは講師のたかえもんです。
いよいよ夏休みです。部活が忙しくなる人もいると思いますが、学校の授業自体は9月までストップします。この時期は自分の弱点を克服する良い機会です。
最近、「読解力がないです」という言葉を口に出す生徒の姿をよく見ます。
自分の持っている力を実際より大きく評価するよりは、小さく評価する方が伸びます。そういう意味では、読解力への自信のなさを口にする生徒は伸びしろがたくさんあります。
そうした生徒に向けて、今回は「夏休み中にできる読解力を高める方法」についてお伝えします。
「読解力がない」という状態は、実はいろいろな違いがあります。気取った表現をするなら、グラデーション(連続した段階的変化)があり、白黒でズバッと割り切れないということです。
「読解力がない」という状態は、「読んでも何が書いてあるのかよくわからない」という状態もあれば、「読んでも書いてある内容を間違って受け取ってしまう」という状態もあります。
一口に「読解力がない」と言っても、状況は人によって違います。「読解力がない」が、どういうことを意味しているのか。一人一人に寄りそって判断する必要があります。
さて、そうは言っても「読解力がない」という状態で多くの人にあてはまるパターンというものも確かにあります。
それは「文章をそもそも読んでいない」「読み飛ばしていることに気づいていない」というものです。
「文章をそもそも読んでいない」「読み飛ばしていることに気づいていない」と言っても、悪気があったり投げやりになっているわけではありません。当人はいたって真面目なのです。ですが、できていないのです。読んでいるつもりで読んでなかったり、読み飛ばしてたりしているのです。
どうしてこうことが起こるのでしょうか?
それは「文章を読むという行動は訓練を積む必要があるから」です。
たとえば、「読む」という行動と「話す」という行動を比べてみましょう。
どちらの方が先に身につくでしょうか?
「話す」方ですね。
人間はだいたい一歳前後から話せるようになると言われています。それに対して、読めるようになるのは4~5歳と言われています。
つまり、「話す」方が簡単に身について、「読む」方はある程度の身体の発達が必要であるということです。
またさらに、「読む」という力については人類の歴史も参考になります。
人類の誕生はおよそ700万年から500万年と言われています。では、文字を使いだしたのいつ頃からでしょうか?
それはおよそ6000年前と言われています。つまり、人類は生まれてからほとんどの期間、文字を使って読むということをしませんでした。
このような歴史の流れを見ると、「読む」という能力が人間にとって自然に身につく能力ではないということがわかります。(「自然」であることが、正しいとは限らないことには注意が必要ですが。)
もし「読む」という能力が何もしないで自然に身につく能力なら、人類は誕生してからもっと長い期間「読む」ということができていておかしくありません。
つまり、人間は自然には「読む」ことができるようになりません。練習や訓練が必要なのです。
「練習や訓練が必要」と言われると、大変に思うかもしれません。しかし、逆に考えることが大切です。練習や訓練が必要ということは、頑張れば身につけられるということです。天から与えられた一部の人しか持っていない才能のように、いくら頑張っても身につかないものではないのです。練習や訓練しだいでほとんどの人は身につきます。
さて、前置きが長くなってしまったので、読解力を身につけるためにこの夏に必要な練習や訓練をまとめてお伝えして今回は終わります。
①音読、漢字練習
②読書
次回はこれらについてより詳しくお話をします。