カタツムリとナメクジの違い

こんにちは講師のたかえもんです。先日、小学生と授業をしていたら「カタツムリとナメクジって似ているけど、殻がある以外に何が違うんだろう?」という話が出ました。

確かにカタツムリとナメクジってよく似ていますが、自分も殻以外の違いはよく知らないでいました。

言われてみると何が違うのかよくわかりません。そこで今回は、授業中に調べて「そうなんだ!」と盛り上がった話を共有したいと思います。

カタツムリとナメクジはご先祖が同じ生き物です。なので、大きな違いは殻があるかないかだけです。見た目通りですね。

ただ、先に生まれたのがどちらなのかが問題です。この違いがカタツムリとナメクジの決定的な違いでしす。

カタツムリとナメクジのどちらが先に生まれたのでしょうか?

答えはカタツムリです。

自分としては意外な答えでした。ナメクジが先に生まれ、そこから殻のついたカタツムリが生まれたのではないかと予想していましたが見事に違いました。ナメクジの進化系がカタツムリではなかったのです。生徒もナメクジ→カタツムリの順番だと思っていたので、もうこれだけで話が盛り上がりました。

カタツムリとナメクジの両方とも、巻き貝という生き物の仲間です。巻き貝の仲間には、オウムガイやサザエ、アワビ、タニシといった生き物がいます。なるほど、言われてみれば確かにカタツムリとタニシは似てますね。そう考えれば納得いきます。

ですが、ここで疑問が生まれます。なぜ殻のないナメクジが生まれたのかです。

カタツムリの殻は、敵が攻撃したときに身を守るのに役立ちます。殻の中に避難すればいいのですから、生存に有利です。しかし、ナメクジには殻がありません。これでは敵に攻撃されたときに、身を守ることはできません。わざわざ生存に不利になるように変化する必要性がわかりません。

生徒と一緒に「なんでだろう、不思議だね?」と頭をひねりました。これも調べてみたらわかりました。

殻がないことで、殻のあるカタツムリだと入れないような狭い場所にもナメクジは入れるようになります。敵からの攻撃を、敵が入れない場所に逃げることで防ぐことができるというわけです。

また、殻を維持するための栄養を取る必要もなくなります。カタツムリは自分の殻を維持するためにカルシウムを食べないといけません。ですが、殻を失ったナメクジは殻を維持するためにカルシウムをとる必要がなくなります。つまり、生きるのに必要な栄養の種類が減り、生存に有利になるというわけです。

まとめると、ナメクジはカタツムリに比べて「①敵が襲って来ることのできない場所に逃げることができる」「②余計な栄養を摂取しなくて済む」という2点が生存に有利なようです。

調べてみると実に奥深い話でした。一見するとナメクジはカタツムリよりも劣っているように見えますが、生存に有利な部分があるという意外な事実がわかりました。進化とはどういうことなのかがよくわかり、生徒以上に教える自分の方が勉強になりました。

生徒と自分がそろって「はー、そういうことなんだ!」と感嘆する面白い時間でした。

最後に蛇足ながら、注意しないといけないことをお伝えします。

カタツムリやナメクジには寄生虫がいます。そのため、直接触ったり、ねばねばした粘液に触れりしたあとはよく洗う必要があります。

関東住血線虫という線虫を保持している場合があり、この線虫が体内に入り死亡することが過去に報告されています。カタツムリやナメクジは非常に危険なのです。

そのため、カタツムリやナメクジには触らないようにしましょう。またもし触れてしまったら、すぐに洗い流すようにしましょう。冗談ではなく、命にかかわります。