テスト効果①

こんにちは講師のたかえもんです。

前回は「分散学習」が「集中学習」よりも効果的というお話をしました。

今回は「テスト効果」についてお伝えしていきます。

「テスト効果」とは、テストを受けること自体に学習効果があるというものです。

「テスト効果」について、2008年にアメリカで実験が行われました。

アメリカの大学生が被験者となって、スワヒリ語を40個学習するというものです。スワヒリ語とはケニヤやタンザニアといった東アフリカで使われている言語です。

スワヒリ語を40個学習するにあたって、大学生を4つのグループに分けました。

グループ①(練習2回 テスト2回)

練習→テスト→練習→テスト

グループ②(練習4回 テスト2回)

練習→テスト→練習→テスト→練習→練習

グループ③(練習2回 テスト4回)

練習→テスト→練習→テスト→テスト→テスト

グループ④(練習4回 テスト4回)

練習→テスト→練習→テスト→練習→テスト→練習→テスト

グループ①を基準とし、そこに練習やテストの回数を増やしていきます。

グループ②とグループ③はそれぞれ練習とテストの回数を2回増やします。ただし、グル-プ②は最後に練習を連続して2回行い、グループ③は最後にテストを連続して2回行います。

グループ④はグループ①の2倍練習とテストを行います。

これら4つのグループは実験の1週間後にテストを行いました。その結果は以下の通りです。

グループ①の正答率33%

グループ②の正答率36%

グループ③の正答率81%

グループ④の正答率81%

もっともテストの正答率が低かったのはグループ①でした。このグループは練習の回数とテストの回数がもっとも少ないグループです。そのため、正答率が1番低いというのは納得のいく結果です。

もっとも正答率が高かったのはグループ③とグループ④でした。グループ④は4つのグループの中でもっともの練習の回数とテストの回数が多いグループです。そのため、正答率が1番高いというのはこれも納得のいく結果です。

ところが、グループ③も正答率がグループ④と同じくらい高いというのは驚きの結果です。

さらに、2番目に正答率が低かったグループ②と比較しても、直感に反した結果が得られました。

グループ③はグループ②よりも練習回数が少ないです。ふつうに考えると、練習回数が多いグループ②の方が正答率が高い気がします。

ですが、結果は練習回数よりもテストの回数の方が多いグループ③の方が圧倒的に正答率が高いというものでした。

この実験から、単語の習得には練習の回数よりもテストの回数の方が効果があるという「テスト効果(testing effect)」が認められたのです。