世界的な少子化の流れ⑧

こんにちは講師のたかえもんです。

世界的に進む少子化の対策として、多くの国で出産や養育の支援といった対策が取られています。

こうした対策は出生率低下を抑えます。しかし、人口が増えるほどの大幅な出生率回復は実現できません。

少子化の問題は結局の所、人口減少の問題であると言えます。この問題の対策として効果が認められているのは「移民を大量に受け入れること」、これだけです。

先進国ではどの国も少子化が進行しています。少子化は当然ながらその国の人口が減ることを意味します。

人口の減少はその国の経済が小さくなることを意味し、それまでの便利な生活を続けられなくなります。

経済発展している国は人口が増えている国です。社会の安定や発展には人口の増加が重要な要素となっています。

日本の少子化が問題となるよりも早い時期に、アメリカやヨーロッパでは少子化が進行しました。ですが、これらの国の現在の出生率は日本よりも高いです。

アメリカやヨーロッパは出産や養育の支援にも力を入れていますがそれよりも、移民を多く受け入れているのが日本よりも出生率の高い理由です。

移民による人口増加は、農村部から都市部へと人口が流出するのと似た構図にあります。

政治的あるいは経済的な問題から、移民は他の国に移り住みます。移民のほとんどは、政治的に自由だったり経済的に豊かな国へと移住します。その逆はまずありません。

地縁や血縁などによってがんじがらめの農村部から、より自由で豊かな生活が望める都市部へ人口が流出するという現象は古今東西で見られます。移民の動きは、この現象が地球規模に拡大したものだと考えると分かりやすいです。

(先進国と比べれば)貧しく自由のない国から、豊かで自由のある国に移民の多くは移動します。移民が移動する元の国は、都市化の割合が低く農村部の割合が高い国が多いです。

つまり、地球全体を1つの国として見ると、経済的に発展した国々を都市部、発展途上の国々を農村部と見なせるのです。

経済的に発展した自由主義の国々が、まだそうなる前の国々から人口を吸い上げ、人口を維持あるいは増加させているのです。

都市部での出生率低下が止められず、農村部からの人口流入によって人口を維持しているのと同じことが地球規模で起きています。