新中学3年生は受験勉強をどうすればいいの?⑤古文の解き方

こんにちは講師のたかえもんです。前回は、「漢字の練習をすることが高校入試対策で第一に取り組むべきこと」というお話をしました。今回は「漢字の練習ができたら、次に何に取り組むと良いのか」についてお伝えします。

漢字の次に取り組むと良いのは、古文です。

古文と言うと、苦手意識のある人が多いと思います。ですが、入試の問題に限定すると、入試の古文は今の時期から解けます。

https://www.kanaloco.jp/sites/default/files/2025-02/11_japanese_cmn.pdf

↑は今年の国語の過去問を見られるサイトです。このサイトから古文の問題を見てください。問4が古文です。

神奈川県公立高校入試国語の古文は、定期テストとは問題形式が大きく異なります。定期テストとは違って、言葉の意味や文法などの問題はまったく出ません。ひたすら出題文の内容理解が問われます。そのため、問題に慣れコツをつかむことができれば、今の時点からでも満点をねらうことができます。実際にこの時期の新3年生に問題を解いてもらうと、満点を取る人もいます。

さて、では実際にどのように入試古文の問題に取り組めば良いのかをこれからお伝えします。

先ず大切なのは、「古文の本文は最初に読まない」「最初に読むのは問題文」ということです。

古文に限った話ではありませんが、人間は事前情報なしに初めて見る文章を読むのはしんどいです。「これから読んでもらう文章は○○という話です」と伝えられて読むのとそうでないのとでは、理解するのにかかる時間はまったく違います。

入試古文では、本文の内容について訊いてくる問題しかありません。しかも四択問題です。ということは、最初に問題文を読めば、本文のだいたいの内容や流れをつかめるのです。だから、本文ではなく問題文を最初に読みましょう

問題文ではなく本文を最初に読んだら、次は本文を読みましょう。その際に実行して欲しいのは「ブツブツと周りの人に聞こえない程度の小声で本文を音読する」ということです。

古文は今の日本語といろいろと異なります。普通に読んでも意味が分からないどころか、言葉の区切りを正確に認識することもできないことが多くあります。

「言葉の区切りを正確に認識することもできない」というと少しわかりにくいかもしれません。もう少し具体的に説明します。

日本語を読むとき、無意識のうちに言葉の区切りを理解して読んでいます。たとえば、

「無意識のうちに言葉の区切りを理解して読んでいます。」

という文なら

「無意識のうちに / 言葉の区切りを / 理解して / 読んでいます。」

とだいたいこんな風に言葉を分けて理解しています。ところが、この区切りを間違えるとどうなるでしょうか?

「無意識 / のう / ちに言葉の区切 / りを理 / 解して読んでいます。」

↑は極端な例ですが、こんな風に言葉の区切りを間違えてしまうと文の意味を理解できなくなります。「 りを理」と言われてもどういう意味なのかさっぱりわかりません。

これと同じことが古文だと頻発します。それでは内容を理解することはできません。

この「言葉の区切りを間違える」という問題に有効なのが、音読です。

古文は確かに現在の日本語と違います。しかし、昔の日本語なので現在の日本語と共通する部分はあります。音読をすると「この区切りをするとしっくりこない」となることがあります。生まれてからずっと日本語の環境で生きてきた中で培われた感覚です。音読をするとこの補助機能にスイッチが入り、黙って読んでいた時には気づけない言葉の区切りに気づけるようになります。だから、古文問題の本文を読むときは「ブツブツと周りの人に聞こえない程度の小声で本文を音読」してください。何が書いてあるかわからないと思っていても、音読をした瞬間に理解できることがあります。

話が長くなってしまったので、今回はここまでにします。次回は、古文の過去問を解いたあとにどうすると実力が底上げされるかについてお伝えします。