スマートフォンと集中力

んにちは講師のたかえもんです。前回まで「アクティブ・リコール」についてお伝えしました。

今回はスマートフォンと集中力についてお伝えします。

スマートフォンはたいへん便利ですが、時間泥棒でもあります。ちょっと見るだけのつもりでいたのに、10分以上経過していたということはよくあります。

スマートフォンと集中力の関係について、次のような実験が行われました。

520人の大学生を3つのグループに分け、ワーキングメモリー(情報を短時間記憶して問題を処理する能力)や流動性知性(新しい問題を理解し、解決する能力)といった認知能力を測定するテストを行いました。グループ分けは以下の通りです。

スマートフォンを机の上に置くグループ

スマートフォンをポケットやかばんに入れるグループ

スマートフォンを別の部屋に置くグループ

この3つのグループのうち、最も認知能力に関するテストの成績が良かったのは「③スマートフォンを別の部屋に置くグループ」でした。逆に最も成績が悪かったのは「①スマートフォンを机の上に置くグループ」でした。

机の上など目に見える範囲にスマートフォンを置くと、ついついそちらに意識がいってしまうという経験はよくあります。そのため「①スマートフォンを机の上に置くグループ」が一番集中力が削がれているという実験結果は、納得しやすいものだと思います。

ところが意外なのは、「②スマートフォンをポケットやかばんに入れるグループ」よりも「③スマートフォンを別の部屋に置くグループ」の方がテストの成績が良いことです。

目につく場所になければ、スマートフォンがかばんの中にあろうと別室にあろうと変わらない気がします。しかし実際には別室に置いておく方が集中力は良いという実験結果が出ました。このことは、見えない場所にスマートフォンがあっても、身近にあると意識がそこに向いてしまうことを意味しています。つまり集中力を十全に発揮したかったら、スマートフォンをまったく手の届かない別室に置くべきなのです。

スマートフォンは身近な存在になりました。ですが勉強に代表されるように、何か1つのことに集中する必要があるときは妨げになります。集中力を発揮する必要があるときは、意識の中にスマートフォンが入ってこない環境を作ることが大切です。

勉強は環境の整備がとても大切です。頑張っている割に成果が出ないと感じる場合、実はスマートフォンに集中力が吸い込まれていることが原因かもしれません。集中する必要がある時はスマートフォンを遠ざけましょう!