アクティブ・リコール④
こんにちは講師のたかえもんです。前回は「勉強したいことや覚えておきたいことを、自発的に思い出すことや記憶から呼び起こすこと」である「アクティブ・リコール」の中でも、特に効果的な方法をお伝えしました。その方法とは「ヒントなしで、なるべく自分の記憶から引き出そうと練習する」というものです。何かを記憶したかったら、ノーヒントで思い出す訓練を重ねることが一番効果的というわけです。
しかしノーヒントで思い出すことが効果的なのは確かですが、覚えにくい内容や難しい内容の場合
はなかなか大変です。そこで有効な「アクティブ・リコール」の一種である、「プロダクション効果」や「プロテジェ効果」を活用するというものがあります。
「プロダクション効果」とは、「記憶したいものは声に出して覚えようとするとよく覚えられる」というものです。これは古くから英単語の学習で言われ続けていたものですが、実際に科学的な裏付けが取られています。現在では通訳の訓練方法として用いられています。
「プロダクション効果」を活用した勉強法とは、たとえば次のようなやり方があります。
「五・一五事件は1932年に海軍の青年将校が犬養毅首相を暗殺した事件で、政党政治が終わり軍人が政治に干渉するようになった。」 この文を覚えたい場合、 ①まず音読してスラスラ言えるように練習する。 ②見ないで暗唱できるか練習する。 ③何も見ないで紙にこの文を書けるか練習する。 こうしたステップを踏んで練習しましょう。 大切なのは、声を出すことを記憶するという行為にしっかり絡めることです。 |
声に出して覚えようとするは確かに効果があります。
思い返すと自分が高校生の時に、タイの首都バンコクの昔の名前を覚えようとしたことがあり、その時に「プロダクション効果」を使っていました
「クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」。
これがかつてのバンコクの正式名称です。あまりに長すぎて冗談みたいです。ですがあまりに長すぎて、「逆にこれを覚えられたら自慢できるんじゃないか?」とよくわからないことを考え、必死に覚えました。
どう覚えたかというと、「クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」とメモに書き、それをいつでも見返せるようにします。そして帰宅中やちょっとした隙間時間にブツブツと呟きつづけるということを繰り返しました。最初は全然覚えられませんでしたし、はたから見るとずいぶんと危ない姿です。
ですが何回も思い出そうと呟いていると覚えられようになりました。「こんな長い無意味なものでも覚えられるものなのだなあ」と完全に覚えられたときは嬉しくなりました。そして今でも忘れずに覚えています。
話が脱線しましたが、記憶したいものは「声に出して何十回と繰り返し思い出すこと」である「プロダクション効果」を活用するとよく覚えられます。声に出すというのは恥ずかしく思えるかもしれませんが、かなり効果があります。