アクティブ・リコール②

こんにちは講師のたかえもんです。今回からは「アクティブ・リコール」という勉強方法についてお伝えしていきます。「アクティブ・リコール」は多くの人にとても効果的な勉強方法として、現在もっとも注目を集めている勉強方法です。

さてその「アクティブ・リコール」ですが、具体的にはどういったものなのでしょうか?

「アクティブ・リコール」とは、「勉強したいことや覚えておきたいことを、自発的に思い出すことや記憶から呼び起こすこと」です。要は「頑張って思い出す」ということです。

拍子抜けするくらい単純なことですが、これが現在の研究の中でもっとも評価の高い勉強方法です。

「アクティブ・リコール」の効果について確かめた以下の実験があります。

アメリカの大学120人に科学に関する2種類の文章を読んでもらいます。

1つは太陽に関する文章で、もう1つはラッコに関する文書です。これら2種類の文章に対して、それぞれ異なった勉強をしてもらいます。

太陽かラッコかいずれか一方の文章を、合計14分かけて何度も読み返す勉強をする。

もう一方の文章を(①で読む文章とは違う文章)、最初の7分間は普通に読み、次の7分間はその文章を思い出せるだけ書き出してもらう「アクティブ・リコール」をする。

(どちらの文章を14分間読み返すのかはランダムです)

と②のそれぞれ異なった勉強をしてもらったあと、大学生たちを3つのグループに分けます。その3つのグループに5分後、2日後、1週間後にテストを実施します。実施したテストは、読んだ文章の内容をできるだけ書き出すというものです。

こうしたテストを実施した結果、次のことがわかりました。

テスト結果は、

5分後のテストでは、14分間読み返したグループの方が少し点数が高かった。

2日後のテストでは、「アクティブ・リコール」をしたグループの方が明らかに点数が高かった。

1週間後のテストでは、「アクティブ・リコール」をしたグループの方が明らかに点数が高かった。

つまり、文章を思い出せるだけ書き出してもらうという「アクティブ・リコール」を行った大学生は、何度も読み返す勉強をしたグループよりも全般的にテスト結果が良かったのです。

こうした結果から、「勉強したいことや覚えておきたいことを、自発的に思い出すことや記憶から呼び起こすこと」である「アクティブ・リコール」の効果が認められます。

ふつう勉強とは、何かの情報を頭に入れることだと思いがちです。もちろんそれは間違いではありません。ですがそれ以上に大切なのは情報を頭から引き出すことです。それができないとせっかくの頑張りが空回りしてしまうことになります。

次回は、、特に効果的な「アクティブ・リコール」のやり方についてお伝えします。