2024年度入試での合格者平均点①
こんにちは講師のたかえもんです。
今年の神奈川県公立高校入試での合格者平均点などが公表されました。詳しくは公式ホームページに掲載されていますが、以下のような得点分布になっています。
教科 | 英語 | 国語 | 数学 | 理科 | 社会 |
合格者平均点 | 47.0点 | 64.0点 | 55.6点 | 57.3点 | 54.8点 |
得点分布 | 割合 | 割合 | 割合 | 割合 | 割合 |
100点 | 1.4% | 0.4% | 0.1% | 0.5% | 0.7% |
91点~99点 | 4.2% | 3.1% | 0.6% | 4.4% | 5.2% |
81点~90点 | 7.2% | 12.6% | 3.4% | 10.5% | 9.2% |
71点~80点 | 8.4% | 20.3% | 13.5% | 13.8% | 12.4% |
61点~70点 | 9.4% | 23.3% | 27.6% | 16.2% | 13.4% |
51点~60点 | 10.9% | 18.7% | 21.0% | 16.1% | 14.7% |
41点~50点 | 12.9% | 12.2% | 15.0% | 15.8% | 15.7% |
31点~40点 | 15.0% | 6.2% | 10.3% | 13.0% | 15.0% |
21点~30点 | 17.2% | 2.5% | 4.9% | 7.5% | 10.1% |
11点~20点 | 11.5% | 0.7% | 3.0% | 2.2% | 3.4% |
1点~10点 | 1.9% | 0.0% | 0.5% | 0.2% | 0.0% |
網掛になっている箇所は平均点です。それに対して太文字になっている箇所は合格者の最も多い得点分布を示しています。
この表で気を付けないといけないのは、この表は受験生全員のデータではなくて受験生のうちの合格者のデータであることです。残念ながら不合格だった受験生の点数は除外されています。そのため全受験者の平均点はもっと低いということに注意が必要です。
この表から、様々なことを分析することができます。
たとえば高得点を取った人の割合に注目すると、興味深いものが見えてきます。
91点以上の得点を取った人の割合を計算してみると次のようになります。
91点以上の割合 英語5.6% 国語3.5% 数学0.7% 理科4.9% 社会5.9%
91点以上取った人が1番多い教科は社会で、2番目に多いのは英語となります。ですが数学に注目すると、91点以上の得点を取った人が異様に少ないことが分かります。
91点以上に限定するとあまりにも得点を絞り過ぎているのかもしれません。では81点以上の割合を見てみます。
81点以上の割合 英語12.8% 国語16.1% 数学4.1% 理科15.4% 社会15.1%
どの教科も一気に割合が増えましたが、数学だけは他の教科より10%も低い割合になっています。これは数学が入試後5教科の中で最も81点以上の高得点を狙いにくい教科であることを意味します。
ですがこのことは直ちに「入試の数学は最も点数を取りにくい、難しい教科だ」ということを意味しません。低い得点を取った人の割合も見てからでないと、そのように判断するのは早すぎます。
10点以下の割合 英語1.9% 国語0.0% 数学0.5% 理科0.2% 社会0.3%
20点以下の割合 英語13.4% 国語0.7% 数学3.5% 理科2.4% 社会3.7%
30点以下の割合 英語30.6% 国語3.2% 数学8.4% 理科9.9% 社会13.8%
40点以下の割合 英語45.6% 国語9.4% 数学18.7% 理科22.9% 社会28.8%
低い点数を取った人は英語でダントツに多く、数学で低い点数を取った人はそんなに多くはありません。むしろ国語に次いで、2番目に少ないです。
こうした得点の傾向から、「入試数学は、高得点を取らせないようにとても難しい問題が出題されている。だから数学で高得点をとって、苦手科目をカバーしようと思わない方がいい。しかし数学の全部の問題が難しいというわけではない。簡単な問題も多く出題される。したがって80点以上の高得点を狙うのは厳しいが、大失敗をして低い点数を取ってしまう可能性も低い。数学が苦手な人も得意な人も、点数に大きな差はつきにくい。」と結論付けることができます。
このように公表されているデータから傾向を分析することができます。そしてこうした分析は、専門的な難しい知識がなくてもできます。受験を来年に控えている受験生は、ぜひとも自分で公表されているデータを分析して、自分はどうやって受験に取り組むべきかを考えてみてください。
次回は公表されているデータから見える、入試英語の特徴についてお伝えします。