入試国語の解き方①

こんにちは講師のたかえもんです。

今回は神奈川県公立入試の国語についてのお話をします。

神奈川の入試国語にはある特徴があります。それは選択問題ばっかりで記述問題が少ないというものです。

例えば2023年の過去問では100点中58点が選択問題でした。このように配点の半分以上が選択問題であるため、選択問題の解き方をしっかりマスターすることがとても大切です。

とは言え「国語の問題に解き方なんてあるの?」と疑問を持つ人が多いのではないでしょうか。

国語の入試問題は英・数・理・社といった他の教科の入試問題と比べて特殊です。英・数・理・社といった教科は事前の勉強がとても大切ですが、国語の選択問題は事前勉強のしようがないように思えます。

確かに国語は、英・数・理・社と比較すると事前勉強の重要性が大きくはありません。しかしそれでも国語の文章題には解き方のテクニックがあり、それをしっかり身に付ける事前勉強が大切です。

国語は、得点が高いときと低いときの波が大きくなりやすい教科です。テスト本番に点数の高い波が来ていれば良いですが、その逆だった場合は目も当てられない結果となります。テスト本番で大失敗しないよう、得点を高いところで安定させないといけません。

国語の得点が安定しない理由は、「なんとなく」で問題を解いていることが大きな原因です。「なんとなく」という勘に頼った解き方はとても危うい解き方です。国語の問題であっても他の英・数・理・社といった教科と同じように解き方というものが存在します。解き方を身に付けることで得点のぶれがなくなり、高い水準で得点が安定するようになります。

では選択問題の解き方とはどいうものなのでしょうか。それは「本文と選択肢を照らし合わせをする」という解き方です。

入試の国語の問題は、本文の内容を正確に理解できているかどうかを測定するものです。

誤解されることが多いのですが、入試の問題では読む側の感想や意見を尋ねる問題は出題されません。どうして感想や意見が問われないのかというと、客観的に採点することが困難だからです。

感想や意見は個人によって千差万別です。何が正解なのかという客観的な指標を定めることができません。

感想や意見を無理に採点しようとすると、採点者の主観に大きく左右されてしまいます。Aという採点者だったら○をもらえたのに、Bという採点者では☓だったということが発生してしまいます。これでは公平な試験とは言えません。そのため実際の入試問題では、公平で客観的な採点ができるような問題が出題されます。

入試では本文に書かれている内容を、個人的な感情や思い込みを排して、正確に読み取れるかどうかという問題が出されます。つまり感情移入や深読みをせず、機械のように正確な文章読解力が要求されているということです。

感情移入や深読みは主観的なものです。文章のどこに感情移入したり、文章のどこを深読みするかは人によって異なります。感情移入や深読みは、普段の読書であれば歓迎するべきものです。ですが客観的な採点が求められる試験では、感情移入や深読みは客観的な採点を妨げるノイズになってしまいます。

だから入試問題では感情移入や深読みが要求されない問題が出されます。それが本文を機械のように正確に読み取れているかを尋ねる選択問題です。

入試の問題で要求されているのは文章に深く潜り込む能力ではなく、文章に何が書かれているを浅く読み取る能力であるとも言うことができます。

こうした観点から入試の問題は作成されるため、作成された問題は必然的に選択問題が多くなります。

選択問題は、まず正解の選択肢を作成しそのあと不正解となるダミーの選択肢を作成するという手順で作られます。回答する側はどの選択肢が不正解となるダミーの選択肢なのかを看破し、不正解とは見なせない選択肢を正答と判断するという消去法の手順を踏まないといけません。この手順を簡単に言い表すと「本文と選択肢を照らし合わせをする」ということになります。

次回はより具体的に国語の選択問題の解き方をお伝えします。