集中学習と分散学習①
こんにちは講師のたかえもんです。
今回は漢字や英単語を覚える練習は間隔を空けた方が効果的というお話をします。
漢字や英単語を覚える練習はどんなことをしていますか?
例えば、「地球儀=globe」という英単語を覚えるとします。
そのときに、 globe→ globe→ globe→ globe→ globe… と同じものを連続して5回から10回書くという練習をしているのではないでしょうか?
このように同じ漢字や英単語を連続して書く練習を「集中学習(massed learning)」と言います。
これに対して、練習を連続して行わない練習方法があります。
例えば、さきほどと同じ「地球儀=globe」という英単語を覚える際に、
①「globe」と1回書く→②6分後に「globe」と1回書く→③6分後に「globe」と1回書く……
というように練習と練習の間隔を空ける練習を「分散学習(spaced learning)」と言います。
5回書きや10回書きのような練習である「集中学習」と、練習と練習の間隔を空ける「分散学習」。この2種類の学習方法のどちらの方がより効果的なのかについて次のような実験が行われました。
「地球儀=globe」という単語を覚えるのに、「集中学習」をするグループと「分散学習」 をするグループの2つのグループを用意します。
「集中学習」をするグループはglobe→ globe→ globe、という3回書きの練習をします。
「分散学習」 をするグループは①「globe」と1回書く→②6分後に「globe」と1回書く→③6分後に「globe」と1回書く、という練習をします。
両方のグループとも「globe」という英単語を3回書くということは共通します。そして、練習が終わったそれぞれのグループに対して、練習直後とその1週間後にテストを行い、「集中学習」と「分散学習」のそれぞれの正答率を調べます。結果は以下の通りでした。
「集中学習」を行ったグループの練習直後の正答率は32%、1週間後の正答率は14%。
「分散学習」を行ったグループの練習直後の正答率は52%、1週間後の正答率は29%。
練習直後と1週間後のテスト結果は両方とも、「分散学習」を行ったグループの方が正答率が高いという結果が出ました。
この結果に対して違和感があるかもしれません。直感的には「集中学習」の方が練習直後の正答率は良さそうです。
ですが、実験結果は直感を裏切ります。漢字や英単語を覚えるためにする練習は、多くの人にとって「集中学習」より「分散学習」の方が効果的です。
「集中学習」は思っているほど効果が見込めず、「分散学習」の方が効果があるというのはなかなか信じられないと思います。
直感に反して、「集中学習」は効果的ではないということについても実験がされています。次回はそのことについてをお伝えします。