運動にも大切な睡眠
こんにちは講師のたかえもんです。
定期テストが近づいているため睡眠時間を削りがちになりますが、それは逆効果だというお話を前回しました。
今回は勉強とは直接関係しませんが、睡眠の勉強面以外の大切な効果についてお伝えします。
睡眠中に成長ホルモンが分泌(ぶんぴつ)されます。「成長」という言葉が付いているように、このホルモンは身体の成長をうながします。
睡眠中に成長ホルモンは分泌(ぶんぴつ)されるのですから、睡眠が不足するとこのホルモンは分泌されません。すると、身長が伸びなくなります。
身体が成長する時期に成長ホルモンが分泌されないと十分な成長ができず、本来の身長よりも短い身長で成長がストップしてしまいます。寝ない子は育たないのです。
また、成長ホルモンは背を伸ばす以外の働きをします。新陳代謝(しんちんたいしゃ)を良くし、免疫力を高めます。睡眠が7時間以下の人は、8時間以上睡眠を取っている人よりも5倍以上風邪にかかりやすいというデータもあります。
さらに、代謝が良くなることで怪我の回復も早くなります。ハードな運動をすると怪我をしやすくなりますが、睡眠を十分取っていると怪我からの復帰も早くなります。
運動に関して、十分な睡眠はパフォーマンスの向上につながる面もあります。
記憶には何かを覚えるという記憶(宣言記憶)以外に、手続き記憶というものがあります。手続き記憶は身体の動かし方についての記憶です。
例えば、お箸の使い方が手続き記憶に当てはまります。お箸を使うのは難しく、使い方をマスターするのに大変な思いをした人も多いのではないでしょうか?
ところが、1度使い方をマスターすると意識しなくてもお箸を使えるようになります。指をどう使うか、いちいち意識しなくてもつまみたいものをつまめるようになります。
このように身体の使い方に関する記憶を手続き記憶と言います。
2本の足を使った歩き方からテニスや野球といったスポーツのプレーまで、身体の使い方はすべて手続き記憶です。スポーツで新しいテクニックを身に付けるのは、その身体の動かし方を手続き記憶として記憶するからです。
この手続き記憶の強化にも睡眠は深く関わってきます。何かを覚えるときと同様に、身体の動かし方である手続き記憶も十分な睡眠で強化されるのです。
プロスポーツでは睡眠と運動の関係はかなり強く意識されるようになっています。
例えば、史上最高のテニス選手とも呼ばれるフェデラー選手や野球の二刀流で有名な大谷選手は12時間睡眠を心がけていると報道されています。
トッププロの選手は、十分な睡眠が疲労や怪我の回復をもたらし、高パフォーマンスの維持に大きく貢献していることを学び実践しているのです。
もし運動部でより上手くなりたかったら、しっかり睡眠を取ることが大事です。
睡眠は勉強面だけでなく、運動面でも大切な働きをしていることが分かってきています。十分な睡眠を取ることは、勉強と運動に良い影響を与えます。
逆に、睡眠不足は勉強と運動に悪い影響を与えます。勉強や運動がうまくいっていないと感じるとき、その原因は睡眠不足にあるかもしれません。
まだ脳が完成していない25歳までは睡眠はとても大事です。できる限り9時間睡眠を目指しましょう!