ロシアのウクライナ問題について①
こんにちは講師のたかえもんです。先日生徒から「ウクライナとロシアが戦争になりそうですが、どうしてロシアはウクライナと戦争をしようとしているんですか?」という質問がありました。確かに分かりづらい話です。そこで今回はロシアという国のトラウマと失敗ついてお伝えします。
ロシアはソ連時代から「他国が攻めてくる」ことを極度に恐れています。
ロシアは歴史上何度も外敵からの攻撃を受けてきました。モンゴル帝国による征服、ナポレオンのロシア遠征、対ソ干渉戦争など、これらの攻撃のたびに大きな被害を出しています。
こうした他国からの攻撃の中でも、とりわけ破滅的な被害を受けた戦争があります。第二次世界大戦でナチスドイツが侵略してきた独ソ戦です。
兵士1470万人、民間人1000万人、合計2470万人。これがこの戦争で死亡した人数です。第二次世界大戦の日本の戦死者が兵士210万人、、民間人100万人、合計310万人であることと比べるとどれほどソ連の被害が多いのかが分かります。
この経験から、ソ連は他国から攻められるのを極度に恐れるようになりました。そこでソ連本土が直接攻撃されれないよう盾となる国を東ヨーロッパに作ります。
これらの国々は衛星国家と呼ばれ、ソ連の息のかかった人々が国のトップに立っていました。ソ連を守るためにソ連の都合で作られた国なので、自由なんてものはありません。ソ連に反対するような意見を言うと逮捕されたり処刑されたりしました。
こうしたソ連の都合による一方的な支配は、大きな恨みを買います。
ソ連が崩壊すると、ソ連の後継国家として現在のロシア連邦が成立します。するとソ連に押さえつけられていた国々は一斉にロシア連邦に対して敵対的な姿勢を取ります。
冷戦時代、ソ連に対抗するため北大西洋条約機構(NATO)という組織が作られました。この組織はソ連に敵対する軍事組織です。
ソ連崩壊後、かつての衛星国家はこぞって北大西洋条約機構(NATO)に参加しました。
その結果、北大西洋条約機構(NATO)はロシア連邦側に1000㎞ほど前進することになりました。ロシア連邦にとって敵対的な組織がすぐ目の前まで迫ることになったのです。
これは自業自得の結果ですが、ロシア連邦はパニックになります。
こうした中、ロシア連邦に隣接するウクライナも北大西洋条約機構(NATO)に加盟しようという動きを見せます。もしウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟したら、ロシア連邦は敵対する組織と本土の重要な都市との距離がゼロになります。
ロシア連邦としては絶対に認められず、どんな手を使ってもウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を阻止しなくてはなりません。
しかしこれはロシア連邦の身勝手な主張です。独立国家として存在するウクライナからすれば主権侵害の内政干渉です。
こうしてロシアとウクライナの間で緊張が高まる事態になっているのです。