簡単要約術
こんにちは講師のたかえもんです。今回は、簡単要約術をお伝えします。
読解力とは、結局のところ「何が言いたいの?」を摑む力、要約する力のことです。
要約というと難しいというイメージを持ちやすいですが、簡単にできるテクニックがあります。それは、文の主語(主部)と述語(述部)を直結させるというシンプルなものです。
どういうことなのか、具体例を挙げて見ていきましょう。
下の文章は、文部科学省公式ホームページに掲載されていたQ&Aの1つで、「新型コロナウィルスの広まりに対して、修学旅行はどうするのか」という質問への返答です。
修学旅行の実施については、各学校や教育委員会等の学校設置者において、学校の所在する地域や修学旅行の目的地となる地域の感染状況、関係自治体の方針等をしっかり把握の上、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(新型コロナウイルス感染症対策本部決定)や「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」等を十分に踏まえ、感染防止策の確実な実施や保護者などの御理解・御協力を前提に、適切に判断していただきますようお願いします。
長すぎて読む気が失せますね。こういった文こそ、主語(主部)と述語(述部)を直結させる要約術が役に立ちます。
日本語の場合、述語(述部)は句点(。)の直前に来ます。なので、この文の述部(述部)は「適切に判断していただきますようお願いします」となります。
主語(主部)は「~は、~が」という言葉です。そのためこの文の主語(主部)は「修学旅行の実施については」となります。
こうして抜き出した主語(主部)と述語(述部)を直結させると、「修学旅行の実施については、適切に判断していただきますようお願いします。」という文になり、これが言いたいことの核だと分かります。あとはこれに枝葉を適宜つけ足せば、おおよその要約の完成です。……要約してみると、「修学旅行をやるかやらないかは、その時になってから現場に考えてもらいます」といったところですね。
この要約術は、説明文や論説文の読解で役立ちます。こういったお堅くて長い文章を読むときに、ぜひとも実践してみてください。