読解力と漢字力の関係

 こんにちは、講師のたかえもんです。ここ数年、読解力をつけるために、音読・ディスコースマーカー・文の構造分析・要約・印付けetcとたくさんの取り組みをしてきました。

 そうした中で気づいたことがあります。それは、読解力が弱い生徒の大多数は、上で挙げたようなテクニックより手前の段階に問題を抱えているということです。ずばり、漢字力が弱いことが問題の根幹です。

 日本語の文章では、大切な内容を漢字で表すことが多いです。そのため、漢字力が弱いと文章の大切な意味が分からず、なにが書いてあるか分からなくなってしまいます。

 英文に置き換えるともっと分かりやすくなるかと思います。がんばって英文を読もうとしても、知らない単語ばかりだとさっぱり分からないですよね。そして、一度分からないとなったら、頭がそれ以上の取り組みを拒否してしまうということを経験したことがありませんか?

 漢字力が弱いと、これと同じことが日本語の文章でも起こります。試しに、この段落の最初の文の漢字を全部塗りつぶしてみます。

「漢字力が弱いと、これと同じことが日本語の文章でも起こるのです。」

「■■■が■いと、これと■じことが■■■の■■でも■こるのです。」

 何が言いたいのさっぱり分かりません。

 実際には、ここまで漢字が分からない生徒はいません。しかし、漢字力が弱いと学年が上がるごとに分からない言葉はどんどん増えて、上で挙げたような状態に近づいていきます。そして分からない言葉が増えるほど、読める文章は減っていき、読もうという意欲も減ってしまいます。そうなるとマイナスの循環が生まれ、読めないし読みたくもないという状態に陥ってしまいます。

 これまで、読解の授業や入試対策などで読解力に不安を抱えている生徒を多くみてきました。その多くが漢字力の弱い子たちでした。そこで、漢字の練習を徹底させたところ、それだけで読解力が向上したケースが多くありました。

 何事も「できない」という場合は、その手前の基礎が身についていないということが多いです。読解力が弱いと感じたら、まずは漢字力が大丈夫か疑ってください。漢字がしっかり身につけば、それだけで改善されるかもしれません。

 しかしながら、漢字の練習もただ何回も書いているだけでは効果が薄い場合があります。次回は、効果的な漢字の練習方法についてお話をしたいと思います。