語彙力を身につけるためのきっかけ作りとは?
語彙力不足に悩んでいる人が多いようで、本屋さんでも語彙力関係の本が目立ちます。
子ども用も大人用もどっちもあります。
語彙力不足をなんとかしたい、という大人もたくさんいるし、
「うちの子に語彙力をつけさせたい」
というご両親も多い、ということでしょうね。
これらの本で学ぶのは、ある程度効果的だと思います。
ただ、だいたいありがちなのは、
最初は物珍しくて読んでいても、すぐに飽きて結局忘れ去られる、
というパターンではないでしょうか?
何度も読んで実際に使ってみたりすれば、
こういう語彙力関係の本だって大いに役に立つのですが、現実はなかなか難しい。
なので、こういう本を買うのはいいけれど、
その前に心構えとして身につけてほしいことがあります。
それは、「言葉に興味を持つ」ということです。
「いろんな言葉を知ることって、こんなに面白いんだ」
と心から思えるようになることです。
「まあ、それはわかるけど、それが出来ないから困ってるんでしょ?」
という声が聞こえてきそうです。
もちろん、簡単ではありません。
今まで興味がなかったものに興味を持たせることは。
でも、実は、あなたのお子さんも、もともと言葉に興味がなかったわけではありませんよね?
お子さんの幼少期を思い出してみてください。
ごくごく小さい頃は言葉に興味があったのではないですか?
「これ何?」「何て読むの?」という質問をいっぱいしてませんでしたか?
あるいは、質問をしなくても、いちいち暗記させようとしなくても
今はある程度、ふつうにしゃべっていませんか?
語彙力が少ないとは言え、しかし、逆に言うと膨大な言葉をたくさん覚えましたよね?
それも勝手に。
人はもともと言葉が大好きなんです。
では、なぜあまり興味を持たなくなってしまったのでしょう?
原因は何でしょう?
原因はお子さんにありますか?
様々な原因が考えられると思いますが、一つには「いつの間にか植えつけられた劣等感」があると思います。
言葉を知らないことで馬鹿にされたり、恥ずかしい思いをした、そういう経験が劣等感を生みます。
そして「言葉って苦手だなあ」という気持ちが少しずつ蓄積していく。
人は、苦手意識があるものは自然と遠ざけますから、ますます未知の言葉に近づかなくなって、まずます語彙力不足になる。
この悪循環を断ち切る必要があります。
そのためには、「言葉の意味を知りたい」という状況に身を置いてもらうのが一番です。
当塾にはKくんという高校生がいます。
歌もギターも上手な音楽少年です。
塾のイベントでも、よく一緒に演奏してもらったりしています。
彼は今まであまり本も読まず、国語もあまり得意ではありません。
でも、あるシンガーソングライターが好きで
その人の作る歌詞に感動していました。
「ああいう表現はなかなかできないですよね〜」と。
ここにもヒントがあるなあ、と私は思いました。
学校で習う文章には興味が持てなくても
好きな歌手の表現に心を打たれる感性は持っているのだな、と。
まあ、学校で習うとなんか面白くなくなるっていうのはありますね。
私もビートルズが昔から好きですが、英語の教科書に載っているビートルスは魅力が半減します。
なんというか、毒っ気が抜かれているというか、権威の側についてしまったようなイメージ。
だって、ビートルズだって、いろんなスタイルの音楽を取り入れているとは言え、ジャンルとしてはロックですよね?
ロックって、大人や権威に反抗することで生まれた音楽なわけで、教科書に載って教室で皆で歌いましょう、みたいな話って、どうなんでしょうね?
なんか、すっかり毒気が抜かれている、というか、気の抜けた炭酸というか。
当塾の読解力講座では、生徒さん一人一人の興味に沿った文章を扱います。
サッカーに興味があるなら、好きなサッカー選手が書いた本を用意し、好きなアニメがあるなら声優やアニメ制作に関係のある本を扱います。
興味に沿った文章であれば、読むための動機があります。そして、その文章のなかに知らない言葉があったら、「その言葉の意味をを知りたい」となるはずです。
ここが学校の教科書だけを扱う場合との違いです。教科書の文章は、面白いものももちろんありますが、誰にとっても面白いか、というと違いますね?
あまり興味のない文章を読んで、その文章に出てくる言葉の意味をぜひ知りたい、とはなりませんよね?
まずは、「言葉の意味を知りたい」という状況を作ってあげることが第一だと思います。
これを実現するには、集団指導ではかなり難しいと思います。個別指導だからこそ、生徒さん一人一人の興味に応じた文章を選んであげることができるのです。
ぜひ一度、読解力講座の体験授業に来てみてください。