個別指導は実は深い
親や教師は、子どもたちに良かれと思って、いろんなことを伝えます。
それはときに説教じみることもあるし、子ども達からは鬱陶しがられるものでもあるのですが、親や教師に悪気はありません。
悪気がないどころか、彼らに少しでも幸せな人生を送ってほしい、という願いを込めて発せられます(まあ、そうじゃない大人もいますが)。
ほとんどの親や教師は、間違ったことを言っているわけではない。
でも、悲しいかな、伝わらない。
伝わらない原因は、様々です。
そもそも言葉が届いていない。
これは受け取る子どもの語彙力や理解力の不足、という場合があります。
それは逆に言うと、親や教師が、子ども達が受け取りやすい言い方で伝えていない、ということでもあります。
伝える側としては、受け取る子どものレベルに合わせた伝え方をするように努力すべきでしょう。
そのためにはまず、子どものことをよく知る必要があります。
その子がどんな性格で、どんなことが好きで、どんなことが嫌いで、どんな思考の癖があって、語彙レベルはどのくらいで、などなどなど。
それが本当の意味での個別対応であり、個別指導の本質だと思います。
なので、簡単なことではありません。
個別指導は、本来はインスタントなアルバイト感覚でできるものではないのです。
長年の知識と経験の積み重ねが必要です。
個別指導を謳う塾は多いですが、こういう意味での個別指導が実現できているところは少ないと思います。
「じゃあ、お前のところでは出来ているのか?」と言われると、正直言ってそれは分かりません。
ただ、真の個別指導を目指す努力はしています。
だからこそ、当塾では毎週、講師研修を通して、ミーティングを通して、飲み会を通して、子ども達一人一人のことについて真剣に話し合っています。
個別指導とは名ばかりの、一斉に画一的な指導をしているところとは、そもそもの考え方が全く違う、という自負はあります。
個別指導とは、人数の問題ではありません。
たとえ1:1の指導であっても、先生が子どものことを理解する力量がなければ、集団指導と同等か、あるいはそれ以下の効果しか得られないでしょう。
あまりにもお手軽に使われるようになってしまった個別指導という言葉の本質を改めて考え直してみました。