脳力を引き出す方法
昨日は、教科の枠を超えた新設講座「面白読書」の第2回体験授業でした。
昨日は最初に、生徒さんが好きな本を持ってきて、聞いているみんなが読みたくなるように紹介してもらう、というコーナーを設けました。
某中1女子が、怖い話がたくさん載っている漫画の紹介をしてくれました。ストーリーをほぼ全部言ってしまったので、思い切りネタバレしてたのですが(笑)、それでも私は読みたくなりました。某中1男子が「俺も読みてー」と言っていました。
次に「超短編」がたくさん載っている文庫本の中から、いくつかピックアップして、朗読しました。「超短編」というのは、いわゆる短編小説よりも短い「ショートショート」よりもさらに短い、2、3ページくらいの、場合によっては1ページ以下という形式の小説です。
蛇
長すぎる。
これだけの作品もあります(笑)
いくつかピックアップして読んだのですが、話によってはピンと来ていない生徒もいたので、あとから「こういうことだよ」と説明したら、「あー、そういうことか!」と晴れた笑顔になりました。
語彙力のあるなしや文章から頭にイメージを描けるかどうかで、理解度には差があるようでした。なので、ただ朗読するだけでは不十分だということは感じました。
まあ、でも、読書が苦手な生徒さんこそ、この講座をとってもらいたいので、私が分かりやすく解説を付け加えることで、楽しみながら少しずつ力をつけていってくれればいいのだと思います。
逆に嬉しい誤算だったのは、生徒たちが自分で話を考えることが好きだし、予想以上に上手だということ。
「キミたちも超短編を書いてみよう!」ということで、先週に引き続き、簡単な創作をしてもらったのですが、みんなそれぞれ個性的でセンスのいい作品ばかりでした。しかも驚きなのが、ほとんどの生徒が悩む間もなく、2、3分であっという間に書いてしまったということ。
やはり若い子たちは発想が自由で豊かだな、ということを感じました。漢字間違いやちょっとした言葉遣いの誤りはありますが、授業内にパッと書いたものとしては上出来だと思います。
そのうちの一つを紹介します。中1男子の作品です。
マグロの一本釣り
漁船に乗りマグロ漁をしている男は海中からマグロに引っぱられ、海中に落ちてしまった。
これぞマグロの一本釣り。
どうでしょう?発想の転換に私はちょっと感心しました。
この授業は大いなる実験的な試みだったのですが、生徒たちのポテンシャル(潜在能力)を垣間見ることができた、という点が一番の収穫です。通常の教科では引き出すことのできない彼らの貴重な能力あるいは脳力を引き出す方法がここにあった、と強く感じています。