怠け者の言い訳
毒づいているのを耳にすることがあります。
「この前テストが返されたとき、あいつ、
『あー、たった80点しかとれなかったー』
とか言ってんの。すげーイヤミだし」
この発言、どう思います?
「ほんと、イヤミなやつだねー」と、その子に同情しますか?
それとも、
「それは、やっかみじゃないの?」と、思いますか?
まあ、それはどちらでもいいのですが(じゃあ聞くなよ、って?)、
ハッキリ言って、こんなこと言ってるうちは出来るようにはならない、
ということは確かです。
どっちのことだかわかりにくいので、一応言っておきますが、
「すげーイヤミだし」と、言っている子のほうです。
実際、相手がイヤミで言ってる場合もあるでしょう。
しかし、「80点でも悔しい」という世界があるんだ
ということを、想像も出来ないようでは、
この先伸びないだろうなあ、とつくづく思ってしまうわけです。
こういう負け犬的な嫉妬心を持っていても、いいことはありません。
理由はいろいろありますが、最大の理由は、
努力しようという気持ちが生まれなくなる、というものです。
私は、作家の筒井康隆氏の昔からのファンなのですが、
彼の若い頃のエッセイで、次のような話がありました。
まだ作家としてデビューする前、
職場の同僚がお金持ちの悪口を言っていても、
彼は絶対に一緒になって悪口を言わなかった、というのです。
なぜかわかりますか?
別に、道徳的な理由からではありません。
自分もお金持ちになるつもりだったから、だそうです。
そして実際、人気作家となり、その目標は達成したわけです。
勉強だって同じです。
出来る人を引きずりおろそう、という発想では、
自分は高みには上げれません。
はっきり言えば、
人を妬んでるヒマがあるなら、
努力して、自分が妬まれる対象になれ
ということです。
そもそも80点で悔しがるレベルになっている子は、
当然それなりの努力をしているはずです。
そういうことを考えもせず、
ただ「ああ、あいつは頭がよくて、いいな~」などと
羨んでいるのは、怠け者の言い訳です。
少なくとも、これを読んでいるあなたやあなたのお子さんには、
そのような人になってほしくない、と切に願います。
今回は珍しく、ちょいと厳しめのお話をしました。
でも、とても大事なことなので、心に留めておいてくださいね。