効果的ではない学習方法④

こんにちは講師のたかえもんです。「蛍光ペンで目立たせたり、下線を引いたりすること」が効果的な学習方法ではないことをお伝えします。

アメリカの大学生を対象とした次のような実験があります。

実験に参加したアメリカの大学生に、8000語の文章を1時間かけて読んでもらいます。その際に、次の3つのグループに分けます。

Aグループ:蛍光ペンで目立たせながら、8000語の文章を1時間かけて読むグループ

Bグループ:蛍光ペンを使わないで、8000語の文章を1時間かけてただ読むだけのグループ

Cグループ:他の人が蛍光ペンで目立たせた8000語の文章を、1時間かけて読むグループ

1週間後、その文章を10分間だけ見直してから内容についてのテストを受けてもらいます。

テストの結果はどのグループもほぼ同じでした。

また、「下線部を引く」という学習方法について次のような実験があります。

大学で使う歴史の教科書を大学生に読んでもらいます。その際に、次の2つのグループに分けます。

Aグループ:下線を引きながら、歴史の教科書を読むグループ

Bグループ:下線を引かないで、ただ歴史の教科書を読むだけのグループ

1週間後、教科書を15分間だけ見直してから内容についてのテストを受けてもらいます。

テスト結果は意外なことに、下線を引いて教科書を読んだAグループの方が低いというものでした。

これらの実験結果から、「蛍光ペンで目立たせたり、下線を引いたりする」という学習方法は、効果的どころか逆効果であると結論付けられます。

さて、下線を引いたグループの方がテスト結果が低かったという実験結果が得られました。これはどうしてなのでしょうか?

その理由は、前回お伝えした「要約は効果的な学習方法とは言えない」ことと同じな理由な可能性があります。

「要約は効果的な学習方法とは言えない」のは、要約のポイントが外れていて的外れな要約になっている人が多いのがその理由でした。

「下線を引く」という学習方法も、的外れな箇所に下線を引いてしまうことが問題であると考えられます。大切なポイントではない箇所に意識が向いてしまい、テストの結果が悪かったと考えられるのです。

このことから、「蛍光ペンで目立たせたり下線を引いたりすることは、大切なポイントを見抜ける人には効果があるかもしれない。しかし、多くの人は大切なポイントを見抜けず、的外れな箇所を強調してしまう。よって大多数の人にとっては、 蛍光ペンで目立たせたり下線を引いたりすることは効果的な学習方法とは言えない」という結論が得られます。

つまり、「蛍光ペンで目立たせたり、下線を引いたりすること」は勉強した気になるだけで、多くの人には効果が乏しいのです。