私の勉強法遍歴③〜続・中学生時代〜
英語だけは中1の最初から得意でした。近所に住んでいた母の知人のMさんという30代くらいの方に小6から中1の終わりまでの約2年間、マンツーマンで教えてもらっていたお陰だと思います。英語の発音が綺麗で、とても優しい女性でした。私がその方の住んでいる団地の一室に週に1回通っていたのですが、いつも休憩時間に美味しいケーキが出るのがとても楽しみでした。
中1の時の英語はいつもほぼ満点でした。Mさんの指導法はそれほど特別なやり方ではなく、教科書をそのまま覚える、というシンプルなものでした。あと、毎週の宿題が、単語のカード作って覚えてくる、というものでした。で、授業の時には作ったカードをカルタのようにバラバラにテーブルの上に置き、先生が発音した単語を探して、意味を言う、というものでした。
中2からは自分でやる、ということになり、教科書の本文を外国人が読んでいるカセットテープ(わかります?)を買ってもらって何度も聞き流して真似をし、暗唱していました。
英語が得意だったので、N君という同級生から「佐々木は英語どうやって勉強しているの?」と聞かれたのですが、「教科書をそのまま覚えてるだけだよ」としか答えられず、なんか申し訳なく思った覚えがあります。でも、「教科書をそのまま覚える」は今でも最強の英語勉強法だと思います。
ただし、同じ英語でも模試の場合はそうは行きませんでした。定期テストに比べると模試の点数がやたらと低く、焦った覚えがあります。「このままでは高校入試の時にやばいことになる」と思い、中3になってからは模試の解き直しを一生懸命やりました。
数学はあまり好きでなかったので、長い間苦手でした。それでも定期テストは2年生の学年末テストでは頑張って早めに勉強して95点をとり、それはクラスで一番頭のいい大石君(本名)と同じ点数でした。「もしかして成績は5かも?」と思ったのですが、学年末の成績は今までの成績との総合なので4どまりでした。とても悔しかった覚えがあります。
高校受験は定期テストと違って試験範囲が中学3年間全部なので、めっちゃ不安でした。今と違って学習塾に通う同級生はごく少数の時代、私も通っていませんでした。夏休みに新宿でやっていた夏期講習に友人たちと何日か通ったくらいです(その内容も復習しなかったのでほとんど忘れてしまいました)。自分の学力にそこそこ見合った高校を受験する予定だったのですが、「数学の点数が取れないせいで不合格になるかもしれない」という恐怖が私に襲いかかりました。
そこで始めたのが、模試と過去問の徹底的な解き直しです。最初はわからない問題が大量にありました。でも、丁寧に解説を読んだり、教科書を参照したりしてなんとか一問ずつ理解していきました。何日間かこの作業をこなしていると、あることに気づきました。「問題の出かたにパターンがあるぞ!」ということに気づいたのです。いわゆる出題傾向です。毎年必ず出てている問題、出たり出なかったりする問題、よく出る単元、ほとんど出ない単元など…。ニヤリ、としました。「闇雲に勉強するのではなく、ちゃんとした戦略を立てて勉強すれば合格点は取れるぞ!」と確信したからです。この考え方は、大学受験の時にもかなり役に立ちましたし、指導する側になっても役に立っています。今思い出してみると、別に取り立ててすごい気づきではありませんが、「自分で気づいた!」というのが自信につながりました。今みたいに情報のあふれた時代には経験するのが難しいことですが。
でも、同じことでも、人から言われてなんとなく知っていることと、実際に自分の手や頭を使って実感することとの間には、明確な違いがあると思います。