世界的な少子化の流れ②

こんにちは講師のたかえもんです。

日本に限らず、世界的に少子化が進行しています。

「都市化」と「女性の地位向上」が少子化の大きな原因であるということを前回お伝えしました。

今回は「都市化」がどうして少子化につながるのかをお伝えします。

産業革命が始まる前まで、世界の人口の大半は農家でした。

どこの国でも人口の90%以上が農業に従事していました。

農村部では子供は重要な労働力でした。

なにせ自分の子供ですから赤の他人のように気をつかう必要がなく、労働の対価も人を雇うことに比べたらほとんど必要ありません。

また、公衆衛生や栄養状況が改善される前は子供の死亡率は大変高く、生まれた子供の3分の1が5歳まで生きられませんでした。

安価で使い勝手の良い労働力の確保と高い幼児死亡率という2つの条件が重なり合い、農村部での出生率は高い数字を維持してきました。

それに対して都市部では、子供は経済的に見ると負担でしかありません。

子供の数が多くても、それを活かすような仕事は都市部にはほとんどありません。経済的にプラスになるどころか養育費がかさみ、収支はマイナスに傾きます。

経済的な利益の問題から、都市部では子供を産むとしてもその数を減らそうとする傾向が強まります。

このように子供は農村部では資産になる半面、都市部では負債になるという現象が発生します。

農村部の人口が多いうちは出生率も高く維持されますが、都市化が進むとそのエリアの出生率は低下します。

世界人口に占める都市人口の割合は、1950年代では30%未満でした。ところが現在の都市人口の割合は50%を超え、今後も増えていくことが予測されています。

技術の発達が世界に広まり、都市化が急速に進んでいるのが今の世界の姿です。

都市化が進行することで、子供が経済的な負担になる人々が増えているのが、日本に限らず世界で進行する少子化の大きな原因なのです。