マイナス×マイナス=プラスになるのはどうして?②

こんにちは講師のたかえもんです。今回はマイナス×マイナスがプラスになってしまうことを計算式を使って説明します。計算式という言葉で拒絶反応出るが人もいるかもしれませんが、簡単な式なので安心してください。

 (-2)×{2+(-1)}

この計算式の解き方は2通りあります。

1つ目は{ }の中を先に計算して、その後に(-2)を掛ける解き方です。

2つ目は分配法則を利用して、{ }の中の数字に(-2)を掛ける解き方です。

まずは1つ目の、{ }の中を先に計算する解き方から始めていきます。

 (-2)×{2+(-1)}

{2+(-1)}を最初に計算します↓

 (-2)×{2+(-1)}

=(-2)×

=-2

答えは-2になりました。答えが-2になったので、元の式を↓のような式に変形します。

 (-2)×{2+(-1)}

 (-2)×{2+(-1)}=-2

◎この式の左(左辺)に分配法則を使います。(-2)を{2+(-1)}のそれぞれに掛けます。

 (-2)×{2+(-1)}=-2

 (-2)×2+(-2)×(-1)=-2

 -4+(-2)×(-1)=-2

↑の式で問題になるのが(-2)×(-1)のマイナス同士を掛けている部分です。この部分を□に置き換えます。

 -4+(-2)×(-1)=-2

 -4+=-2

ここでできた-4+=-2という式は、「-4にを足したら-2になる」という式です。-4に足して-2になる数は2しかありません。したがって、□=2となります。

□は(-2)×(-1)を置き換えたものなので、□=(-2)×(-1)=2という関係が成り立ちます。

よって、(-2)×(-1)=2となり、「マイナス×マイナスはプラス」という結果になってしまいます。

以上がマイナス×マイナスがプラスになってしまうことの説明です。

どうも釈然としない感じがするかもしれませんが、理屈はどこもおかしくありません。

計算のルールに従うとマイナス×マイナスはプラスにならざるを得ないのです。仕方ありません。小学生から習ってきた計算のルールを積み上げるとこうなってしまうのです。

そうは言っても、モヤモヤしたおさまりの悪さが残る人もいるかもしれません。だとしたら、素晴らしく鋭い感性をもっています。

マイナス×マイナスがプラスになるという説明は、小学生までの「算数」と中学生以降の「数学」の違いを表しています。「算数」と「数学」がどう違うのかがここに凝縮されているのです。

次回は「算数」と「数学」の違いについてお伝えします。