やる気スイッチを探すより大切なのは?
一時期「やる気スイッチ」という言葉が流行りましたが、あれは「どこでもドア」に近い夢のアイテムだと思っています。
あの言葉は、全国の親御さんの「やる気スイッチ」なんてものが我が子についていたら押してみたいなあ、という願いの結晶だったのではないでしょうか?
考えようによっては、ポンと簡単に押せるような「やる気スイッチ」なんてものがあったら、実際は危険ですよ?だって、誰か悪い大人が押して、反社会的なことや犯罪的なことにやる気を起こしてしまう可能性もあるわけですから。要するに洗脳スイッチになる可能性も大いにある、ということです。
子どものやる気は「押す」ものではなく、「待つ」ものだと言うのが、30年近くの指導経験から得た私の考えです。
現状では全くやる気のカケラさえ見せない子が、何かをきっかけにやる気を見せることがあります。注意していただきたいのは、この「やる気になったタイミング」を逃すことです。
「この子はやる気のない子だ」と言うレッテルを貼っていると、やる気になったタイミングに気づかない可能性があるので、要注意です。まあ、気づかないだけなら、まだマシです。親が気づかなくても、やる気を発揮してくれるからです(もちろん、発揮の程度は、その子の性格や環境などによって違います)。
最もまずいのは、「やる気をくじく」ことです。
いやいやいやいや。そんな、せっかく我が子がやる気になったのに、わざわざそれをくじく親なんて、いないでしょ?
と、思うかもしれません。
でも、子どもの「やる気になったタイミング」に気づいていない場合は、そういう悲劇も起こり得ます。
例えば子どもが自分から急に「問題集を買って欲しい」とか「塾に入りたい」とか「と言い出したとします。でも、子どもの変化に気づいていない親御さんだと「どうせ続かないでしょ?」という態度を取ってしまうかもしれません。
ただ、実際に「口だけ」の場合もあるので、この辺りの見極めは難しいのですが、それは日頃のコミュニケーションにかかっているのではないでしょうか?
今回私が言いたいことをまとめると、
「子どものやる気スイッチを入れようと躍起になる代わりに、やる気になったタイミングを見極める方が大切」
ということになります。。
そして、本当にやる気になった子に対して、全力でサポートしてあげてください。もし、お子さんに現在やる気がほとんど見られない場合は、今はその時までの準備期間、と考えると、精神衛生上も良いのではないかと思う次第であります。