闇のエネルギー
商売柄、「どうしたらやる気が出ますか?」という質問は、保護者さんからも生徒さんからも年がら年中持ちかけられます。
こういう質問がきた時は「仮でもいいから、志望校を決めちゃいましょう」とか
「将来の夢から逆算して、今必要なことを考えましょう」とかいうのが、定番のアドバイスです。
今回は思い切ってぶっちゃけちゃいますが、正直言ってこれらは所詮、綺麗事です。
もちろんそれなりに効果はあるのですが、現実的ではありません。
このアドバイスを聞いて「はい、じゃあ志望校決めましたあ」「はい、将来の夢できましたあ」って、すぐになるなら苦労しません。
超素直なお子さんがアドバイス通りにこれらを強引に作ったところで、心から望んだ志望校や将来の夢ではないので、やる気に繋がるとは思えません。
「夢や目標を持て」というのは正論なのですが、このアドバイスだけでは、現実的にはなかなかうまくいかないのです。
もっと現実的で、泥臭い動機は何かって言ったら、メラメラと燃える暗いエネルギーなんじゃないかと思います。
勉強頑張れる人って、そんなにポジティブな人ばかりじゃないと思いますよ。
例えば、
「あいつには負けたくない」とか
「バカだと思われたくない」とか
「周りのみんなにすごいと思われたい」とか
そんなもんじゃないですか?
なので、我々大人も、この辺に共感してあげた方がアドバイスを聞いてもらえるのではないかと思います。
自分自身が頑張れた時のことを思い出してみてください。
夢とか目標とか、そんな立派なものでしたか?
(もちろん、一部そういう方もいると思いますので、その方には申し訳ありません。)
劣等感というか、コンプレックスみたいなのもやはりダークなエネルギーと言えると思います。
私自身、中1の最初の定期テストの結果が出た時、自分より下だと思っていた同級生の順位が自分より上だったので、「これはまずい」と思っていろんな勉強法を調べ始めました。そして実際に順位はグングン上がりました。
また、私の場合、見た目が格好いいわけでもなく、面白いことが言えるわけでもなく、スポーツが得意だというわけでもなかったので、せめて勉強だけでも出来ないとと惨めすぎる、と思っていました。
これも闇のエネルギーだと思います。
ちょいワルって言葉ありますよね?
「ちょいワルオヤジ」みたいな。「ちょいワル」ってやっぱ魅力的なんですよね。
あんまり具体的に言うと変な話になってしまうので、あとはご自分で考えもらいたいのですが、ダークな動機でも構わない、と言う視点を持つと、お子さんとの話も共感しやすくなるのではないでしょうか?
もちろん、いつまでも闇のエネルギーに頼っているのは良くありません。
周りにも悪影響を及ぼしますし、最終的には自分自身も不幸になります。
最初の動機が闇であっても、成果が出てきて自信がつき、周りを見渡す余裕が出てきたら、
他人のために貢献する、という気持ちが出てくるはずです。
あくまでも、「きっかけとしての闇のエネルギーの利用は、あり」だというお話です。