人間関係のストレスを一晩で解消した「秘密のお手紙」

先日、高校生男子に「先生のストレス発散法は?」と聞かれました。

どうしてそんな質問をするのか、と尋ねたところ、「学校にとてもウザい奴がいる」という話でした。そいつがどれだけ「ウザい奴」かということは、(プライバシーなどいろいろ問題があると思うので)まあ置いておいて、今回はこのような人間関係のストレスに対処する一つの方法をお伝えします(方法というか、私の体験談です)。

冒頭の質問に関する私の答えの一つは「手紙を書く」でした。

実は私も中学生時代に似たような経験があります。同級生のWという男です。彼は休み時間などに嫌味のようなことをわざわざ言ってくるのです。初めのうちは大して気にしていなかったのですが、積み重なるうちにだんだんストレスになってきました。

Wは体も大きく、喧嘩も強そうなので、当時見るからにひ弱だった私には、腕力で片をつけるという選択肢はありませんでした。口で言うのも結構勇気が必要です。

そこで、私は手紙を書くことにしました。

自分がいかに彼の言葉からストレスを受けているか、どんなに嫌な気持ちになっているか、と言うことを面々と綴ったお手紙です。言わば、逆ラブレター(笑)

詳しい内容は忘れてしまいましたが、夜中に3〜4時間かけてみっちり書きました。

自分で言うのも何ですが、かなり筋の通った、誰に見せても恥ずかしくない文章だったと思います(証拠がないので何とでも言える)。

夜の闇の力ってすごいですよね。なんかダークなパワーがみなぎっていたと思います。これ以上嫌味を続けるのをやめないなら、こっちはこっちで反撃を考える、みたいなことも書いたような気がします(まあ、過去の記憶なんて当てになりませんが)。

で、もやもやした思いを出し切ってスッキリした私は、羽毛のような軽やかな気分で床につきました。

翌朝、封をする前に、もう一度その手紙を読み返しました。

「完璧だ!」と思いました。これを読んだら、どう考えても彼は改心する、と確信したのです(今となっては怪しいもんだと思いますが)。

そして、ここからです。不思議なことが起こったのは。

「なら、渡さなくていいや」

こう思ったのです。

これを渡しさえすれば、奴は改心する。じゃあ、それはいつでもいいじゃん、と。

そう思うとなぜか彼が哀れな奴のような気がしてきたのです。彼の欠点などをあげつらった自分の文章を読み返して、「そこまで言わなくてもいいか」という気がしたのです。

結局、その手紙は破って捨てました。

なので特に何のアプローチもしていないのですが、彼からあまり嫌味を言われなくなりました。なぜかは分かりません。私の態度が(自覚はありませんが)毅然としたものになったため、彼が気をつけるようになったのかもしれませんし、あるいは、実は言われていたのに私が気にしなくなったのかもしれません。

「他人を変えることはできない。変えることができるのは自分だけ」という言葉を聞いたことがありますが、まさに典型的な例だと思いました。

相手に伝えるかどうかは別として、自分の思いを本気になって吐き出す、ということはこれだけの効果がある、ということです。参考になる部分があれば、真似してみてください。