楽しみながらできる読解力トレーニング<その2>

福嶋隆史氏の「本当の国語力」シリーズで提唱されている3つの力

言いかえる力(同等関係整理力)

くらべる力(対比関係整理力)

たどる力(因果関係整理力)

について、前回は「言いかえる力(同等関係整理力)」のトレーニング方法をご紹介しました。

今回は「くらべる力(対比関係整理力)」と「たどる力(因果関係整理力)」についてお話しします。

まず、「くらべる力(対比関係整理力)」とは、反対語や否定表現(〜ではない)を使って、対比関係を整理する力のことです。

「白は明るい色である。それに対して、黒は暗い色である」のように、

「それに対して」「一方」「しかし」「でも」「が」「ではなく」などの語を使って比べます。

簡単そうですが、対比の観点を統一しないと、おかしな表現になってしまいます。

例えば、「昼は楽しいが、夜は暗い」などという表現です。「楽しさ」と「明るさ」という2つの観点があるので、意味が不明になってしまうのです。

「昼は楽しいが、夜はつまらない」あるいは「昼は明るいが、夜は暗い」であれば、前者は「楽しさ」という観点、は後者「明るさ」という観点に統一されているので大丈夫、ということになります。

これも、いろんなトレーニング法が考えられます。

一番簡単なのが、反対語クイズです。

何か単語を言って、お子さんに反対語を答えてもらえばいいのです。

これなら食器洗いや洗濯物を畳んでいる時など、ちょっとした時にゲーム感覚で出来ますよね?

お子さんの語彙力チェックにもなるので、ぜひやってみてください。

もう少し難易度を上げると、

「白は明るい色である。それに対して、黒は暗い色である」

のような例文を型にして、

ABである。それに対してCDである」のようにします。

このA~Dに言葉を当てはめる遊びをするのです。

「お父さんは優しい。それに対してお母さんは怖い」

のような、ちょっとしたユーモア混じりの文にもおおらかに対応できたら、楽しい時間になるはずです(笑)

最後の「たどる力(因果関係整理力)」は、因果関係すなわち原因と結果を整理する力のことです。

原因A→結果B

AによってB AするとB AだからB AならばB など

結果B→原因A

BなぜならAから  BだってAから など

の2種類があります。

「因果関係」というと難しいイメージがありますが、これも型があれば楽しく練習できます。

なにか話す時に必ず、「なぜなら」と理由をつける練習をするのも楽しいでしょう。

「寝坊した。なぜなら、昨日、夜遅くまでゲームをしていたからだ」

とか

「テストの点数が悪かった。なぜなら、勉強していなかったからだ」

というように。

だんだん言い訳じみてくるかもしれませんが、まあ、「それはそれでよし」としてあげてください。

お母さんも負けずに、

「今日は夕食を作りたくない。なぜなら、疲れているからだ」とか(笑)

「ふくしま式『本当の国語力』が身につく問題集 小学生版ベーシック」にも載っていますが、「AだからB」は「BなぜならA」の形に言いかえることができます。

「走っても間に合わないと思った。

だから、走るのをやめた。

走るのをやめた。なぜなら、走っても間に合わないと思ったからだ。」

という感じです。

一方が最初に「だから」を使った文を言って、相手がそれを「なぜなら」の文に言いかえる、という遊びもできますね。

こうしたトレーニングはとにかく、堅苦しく考えず、楽しむということが大切です。

お子さんが間違っても怒ったり、渋い顔をしないことです。

すべて笑って突っ込んであげてください。これが最大のポイントです。

では、また。

P.S.

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