【本の紹介】池上彰「おとなの教養〜私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」 <後編>

「世界トップクラスの大学は?」と聞かれて即座に出てきそうなのは、やはりアメリカのハーバード大学だと思うのですが、ハーバードではリベラルアーツ教育が基本だそうです。

私の中では、アメリカというと何でも実務的というか実践的なことを重んじているイメージがあったので、これは意外でした。

「リベラルアーツ」というのは言わば基礎教養ですから、学んですぐに何かの役に立つ、ということはありません。

実際、ハーバードでは、4年間リベラルアーツ教育を受けた後、医者になりたければメディカルスクールという専門学校に行き、弁護士や裁判官になりたければロースクールに行く、経済学を勉強したかったらビジネススクールに行く、というプログラムになっているそうです。

「すぐに役に立つものを教えるのは専門学校で、いわゆるエリート大学は、『すぐに役立たなくてもいいこと』を教えるのです。
 すぐに役立つことは、世の中に出て、すぐ役立たなくなる。すぐには役立たないことが、実は長い目で見ると、役に立つ。

こういう考えなのだそうです。

勉強の苦手な子のよくあるセリフに「こんな勉強、何の役に立つの?」というのがありますが、そもそもこの「役に立つ」という発想が違う、ということになります(笑)

うーん、さすが伊達にトップエリートではありませんね、深いです。

池上さんが挙げている現代の自由七科、

宗教、②宇宙、③人類の旅路、④人間と病気、⑤経済学、⑥歴史、⑦日本と日本人

の、それぞれの内容については実際に本書を読んでいただくとして、

以下は各科目について私が持っているイメージ、私の拙い学習状況などを語ります。

宗教

日本人が世界の人々と交流するとき、一番ネックになるのが宗教ではないでしょうか?日本人ほど宗教に無頓着な人種も珍しい、と聞きます。私自身も全然詳しくありませんが、先日、ある中学生が「キリスト教と仏教の違いがわからない」と言っていたのを聞いてぶったまげたことを思い出しました(笑)

中田敦彦の「YouTube大学」でいろんな宗教についてわかりやすく解説してくれていたので、だいぶ勉強になりました。

宇宙

ホーキング氏などに興味はあるのですが、理系科目に苦手意識があるので腰をすえて学べてはいません。先日ホーキング氏が主人公の映画「博士と彼女のセオリー」を見て面白かったのですが、彼の理論について学べた気はしません。

ホーキング氏の本はだいぶ昔に一冊買って、結局挫折した記憶がありますが、今でもコンビニとか売っている「宇宙の謎」的な本はよく買っています。いつも数式とか出てきちゃうとアウトなのですが、そこはスルーしてでも、また学びたいですね。

人類の旅路

これだけ聞くと歴史との違いがわかりませんが、アウストラロピテクスとかの、まだ文字を持たない頃の人類がどう進化してきたか、ということのようです。

この時代の様子はベストセラーになった「サピエンス全史」という本に詳しく書いてあり、私もオーディオブックで聴いている最中ですが、化石や遺跡の発掘によってどんどん新しい発見があり、興味の尽きない分野です。

「古代に宇宙人がやってきて、どうのこうの」という怪しげな「トンデモ本」も含めて私は結構好きです。

人間と病気

これもベストセラーになった「銃・病原菌・鉄」という本が参考になります。病原菌と戦ってきて克服してきた人々のお陰で、現代の我々が安心して暮らせていることがよく分かります。

インドなどのアジア諸国、あるいは発展途上国に行くと、現代日本がいかに清潔な国か、そしてそのお陰で逆にいかに脆弱になったかもよく分かります。

経済学

苦手ですねー。池上さんの「やさしい経済学」という全7巻のDVDを持っているので、これを時々見ています。

歴史

元々はあまり得意な分野ではないんですが、最近はYouTube動画で日本史や世界史の講義を見たり、裏の歴史を垣間見ることのできる有料のオンライン講座などを使って楽しく勉強しています。

日本と日本人

これわかってないと海外の人と喋る時に困りますよね。言語だけでなく、他国の文化や習慣、思想など世界のことを知ることで、逆に自分たちのことも分かります。古事記や日本書紀をちゃんと読みたいというのもありますし、神道についてももっと知りたいですね。

「おとなの教養」価格もお手頃だし結構読みやすいので、お気軽にどうぞ!