【本の紹介】池上彰「おとなの教養〜私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」 <前編>

先日開催した保護者向けセミナー「大人の学び直し」で、「学びたい気持ちはあるけれど、何を学んだらいいかわからない」という方がいらっしゃいました。

そんな方にオススメの本が今回紹介する

池上 彰 「おとなの教養〜私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」という本です。

著者の池上彰さんについてはあまりにも有名なので説明は不要だと思います。NHK出版新書から出ていて、税別780円というお手軽な値段で購入できます。

序章には、この本のテーマでもある「リベラルアーツ」について詳しく述べられています。

「これは、ギリシャ・ローマ時代に源流を持ち、ヨーロッパの大学で学問の基本だとみなされた七科目のことを指します。具体的には①文法、②修辞学、③論理学、④算術、⑤幾何学、⑥天文学、⑦音楽の計七科です。かつてはこうした科目に習熟することが、教養人の条件だったわけですね。」

続けて、

「リベラルアーツの「リベラル(liberal)」は自由、「アーツ(arts)」は技術、学問、芸術を意味します。だからリベラルアーツの意味は「人を自由にする学問」ということです。」

ということです。

私は何よりも自由をこよなく愛する性質を持っているので「人を自由にする学問」と聞いて、「かっこいーなー」と感激してしまいました(笑)

ヨーロッパの大学では19世紀から20世紀まで、このリベラルアーツを必ず教えることになっていたそうです。

ただ、先ほどの七科は、かつてのヨーロッパでのお話。時代も国も違う現代日本人が学ぶべき科目は何でしょう?

池上さんは、「現代の自由七科」として次のようなものを挙げてくれています。

宗教、②宇宙、③人類の旅路、④人間と病気、⑤経済学、⑥歴史、⑦日本と日本人

そして以上の7つがそのまま、この本の章立てになっています。

池上さんはこれらの七科を学ぶことが「自分がどういう存在なのか」つまり「(日本人あるいは人類を含めた)自分自身を知る」ことに繋がり、それこそが「現代の教養だろう」と言っています。

うーん、正しすぎて反論のしようがない(笑)

というわけで、<後編>に続きます。