スタートレック「二人のカーク」から学ぶ人間の善と悪

SFテレビ番組「スタートレック」が好きで、数年前にヤフオクで買った50本近くもあるDVDを少しずつ見ています。

単に面白いだけでなく、人間について深く考えさせられる作品が多いです。

一口に「スタートレック」と言ってもいろんなシリーズがあるのですが、昨日は最も初期のシリーズ(仮面ライダーで言うと、仮面ライダー1号のシリーズ)の「二人のカーク」という作品を見ました。

宇宙船や惑星などのセットは、今の映像と比べるとかなり古臭く、「お笑いのセットですか?」という感じなのですが、話の内容はしっかりしているので見ごたえがあります。

どのシリーズにも出てくる「転送装置」というものがあって、人間や動物などを宇宙船から星に転送したり、逆に星から宇宙船に転送したりすることができます。

主人公のカーク船長が、ある星を調査した後に宇宙船に転送されるのですが、その際に事故が起こります。

カーク船長が転送された後に、時間差でもう一人のカーク船長が転送されてくるのです。

カーク船長が分裂してしまったようです。

そして、そのカーク船長は、姿形は一人目と同じなのですが、何か様子が変です。表情や仕草がやさぐれていて、ちょっと悪そうな感じです。

転送装置のそばにちょうど誰もいなかったので、気づかれることなく、もう一人のカーク船長はふらふらと船内をさまよいます。

そして「ブランデーをくれ!」と言って、乗組員からブランデーを乱暴に奪ってラッパ呑みはするわ、女性乗組員には手を出そうとして引っかかれるわで大騒ぎになります。

このように、二人目のカーク船長は欲望丸出し、「悪」の男なのです。

したがって、最初に転送されたカーク船長は、「善」の男ということのようで、要するに、カーク船長が善の人格と悪の人格に分裂してしまった、というわけなのです。

「じゃあ、悪のほうをやっつけちゃえばいいんじゃないの?」と単純にはいかないところがスタートレックの深いところです。

「善」のカーク船長にも困ったところがあることに、皆は気づいてしまったのです。

「決断」ができないのです。

実は、男らしく「決断する」という部分は、カーク船長の「悪」の部分が担っていたのです。

「善」のカーク船長は時間が経つにつれてどんどん決断力を失い、部下に命令することができなくなり、挙げ句の果てには「俺はどうすればいいんだ、誰か教えてくれ」と言い出す始末。

いい人かもしれませんが、船長としては実に頼りないのです。

最終的にはもちろん、転送装置が治って、二人は元のカーク船長に統合されます。

これ、かなり興味深くありません?

ものすごい教訓を含んでいると思うのですが、どうでしょう?

教育や子育てにも多いに関係ありますよね?

要するに人間の悪の側面というのは、絶対に必要だと言うことです。

悪い面とか、欠点とかは短所は、「いいところもあるから、まあ、しょうがないよね?」
とかいう話ではなく、「むしろ必要」ということなのです。

安易に「欠点を無くそう」という考え方は、かなり危険だということです。

また、「決断」は悪の部分が担っているというのも、よくわかります。

確かに、知性や論理だけでは決断はできません。

最後は「えい!」とばかりに自分の感情に任せるのが決断だからです。

この話題に関連した話はまだまだいっぱい思いついてしまったのですが、相当長くなりそうなので、またの機会に譲りますが、「スタートレック」どれも面白いのでおすすめです。