アリストテレスの「問題集」〜面白読書より

毎週木曜日に塾長が鴨宮教室で行っている「面白読書」は開講してから1年が経ちました。

日本文学、海外文学、心理学、歴史、社会学、人間関係、等々、様々なジャンルの本を取り上げ、いろんなテーマのお話をしてきました。

昨日はギリシヤの哲学者アリストテレスを扱いました。

ありとあらゆる分野の研究をし、現代の学問の基礎を作ったとも言える人物で「万学の祖」とも呼ばれています。

今から2400万年も前に生まれ、アレキサンダー大王の家庭教師をしていた、ということでも有名です。

今回は私が持っている「アリストテレス全集第13卷 問題集」という本を扱いました。

ちなみにこの本、本体価格7,400円です!

アリストテレスの本は、やたらと難しい上に退屈なので読み通すのが本当に辛いのですが、この本は例外的に読みやすく、面白いです。

少し引用しますね。

「なぜ、大多数の人は、音をはずして歌うとき、高いほうにはずすのだろうか。あるいはそれは、高い音のほうが低い音より歌いやすいだからだろうか。実際、人々は高い音で歌うほうが多く、高い音で歌っているとき、間違えるものである。」

「なぜ、走っているときのほうが歩いているときよりも転びやすいのだろうか。あるいはそれは、動きに移る前に足をいっそう高く上げるからだろうか。じじつ、走ることが歩くことと違っているのはこの点においてなのである。」

「なぜ、われわれは、怒りを感じると、だんだん目が赤くなっていくのに、恥ずかしく思うと、耳がそうなっていくのだろうか。(以下略)」

「なぜ、飢えることよりも、渇くことの方が、我慢できないのだろうか。(以下略)」

「なぜ、煙は、身体の他の部分よりも、いっそう目を刺戟するのだろうか。(以下略)」

「なぜ、くしゃみをした後や小便をした後には、ぶるぶると震えてしまうのだろうか。(以下略)」

「なぜ、人間が出す糞便は乾いたものより湿ったもののほうが多いのに、ウマやロバが出す糞便は乾いたもののほうが多いのだろうか。(以下略)」

まあ、こんな感じで「なぜ」から疑問が始まり、それに対してアリストレス自身が答えを述べていく、という形式の短い断片がたくさん集まっている本です。

なんか、やたらと細かいことまでクソ真面目に疑問を持ってクソ真面目に論じているので、

読んでいるうちになんとなく笑いがこみあげてきたりもします。

「哲学書で笑う」というのはなかなか無い経験ですよね?

ほとんどが数行から十数行の短い断片からできているので、パラパラめくって面白そうな箇所を読む、ということができます。

引用した箇所からもわかるように、とても素朴な疑問から始まっています。

授業の後半では、

「じゃあ、みんなもアリストテレスになって、疑問を書き出してみよう」

ということになりました。

「なぜ、勉強し始めようとすると、掃除をしたくなるのか」

「なぜ、コンビニのチキンは、売っている時は温かそうに見えるのに実際は冷たいのか」

「なぜ、今眠いのか」

などの疑問が出ました。

そして、それぞれについてみんなで回答を考えていき、話し合い、あっと言う間の1時間が終了。

こんな感じで、「日頃からもっといろんなことに疑問を持って生きよう」という回になりました。

*「面白読書」の詳細については、こちらのページをご覧ください。