語彙力アップの指導法〜読解力講座より
「読解力講座」へのお申し込みを続々といただいています。
お子さまの読解力に不安をかかえている保護者様が少なくない証拠だと思います。
今回は、「読解力講座」ではいったいどんな授業をしているのか、その一部を公開します。
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初期の段階では語彙力をつけてもらうことに注力します。
読解力が足りないお子さんは、読解力以前に圧倒的に語彙力が不足している、というケースがほとんどだからです。
それも特に難しい言葉ではないけれど、うまく意味をつかめていない「日常でよく使う語彙(ここでは日常語と呼びます)」が身についていないお子さんが多いです。
なのでまずは日常語を楽しく身につける方法を伝授します。
「楽しく」とサラッと書きましたが、実はここが最大のポイントです。
楽しくないと、そもそも言葉に興味を持ってくれません。
興味を持たないまま強引に暗記させようとしても、語彙力はなかなか身につきません。
興味がないので、生活の中で使おうとしないからです。
漢字の小テストはいつも満点をとってくるのに、普段使っていないので実は全然身についていなかった、というのと同じ現象が起きてしまいます。
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それでは、当塾の指導の手順を暴露します。
ある文章を読んで、意味がよく分からない言葉、あいまいな言葉を丸で囲みます。
この文章は、最初の頃は当塾で用意したものを扱いますが、慣れてきたら興味のある分野の本などを使ったりします。
丸で囲んだ言葉をノートに書きます。
反対語があれば反対語を書きます。
辞書的な意味を書きます。
この時、辞書に載っている説明が難しい時は、生徒さんの語彙レベルに合わせて講師が意味をかみくだいたり、例を挙げたりして分かりやすく伝えます(ここが個別指導の利点です!)。
よく「なんでも辞書を引けばわかる」という大人がいますが、そんなことはありません。
語彙力が乏しい子は、辞書の説明が難しくて逆に余計にわからなくなる、というのはよくあることです。
意味がわかったら、次は例文を書きます。
その言葉を使った短い文を書きます。
初めてだったり、苦手な場合は、講師が一緒に考えてくれます。
これを2つくらい書きます。
最後に、その言葉に関する簡単な絵を描きます。
これも苦手な場合は講師が協力します(講師もあまりうまくありませんが)。
ただ、これは上手い下手は関係ありません。
なるべく視覚的なイメージを伴ったほうが記憶に残りやすい、という意味でやってもらっているだけです。
「来週までに、今回書いた言葉を実際に使ってみて」という宿題が出ます。
言葉は実際に日常で使ってみて初めて身につくものです。
友達や家族との会話で、冗談半分でも構わなので使ってみることが大切です。
以上、語彙力を身につけるためのポイントは、一つの言葉をいろんな方面から立体的に捉える、ということに尽きます。
辞書的な意味を暗記しただけでは、つまらないだけでなく、実際に使えるようにはなりません。
講師とのやりとりを通して、楽しく身につけてもらいたいと思います。
実際に読解力講座の体験授業を受けてくれた生徒さんからは「楽しかった。もっとやりたい!」という声が届いています。