効果的ではない学習方法③
こんにちは講師のたかえもんです。今回は「ノートに教科書や参考書の文章をまとめる」ことはどの程度効果があるのかについてお伝えします。
ノートに教科書や参考書の文章をまとめること、つまり要約することについて次のような実験があります。
アメリカで心理学について学んでいる大学生を対象に、「論理学における誤り」がテーマの文章を読んでもらいます。そしてAグループとBグループに分け、それぞれのグループに次のような勉強してもらいます。
Aグループ:学んだ内容を友達に教えるように要約する
Bグループ:特に指示を受けず普通に勉強する
それぞれの仕方で勉強してもらった後で、勉強した内容についての応用問題を解いてもらいました。その結果、AグループとBグループの間に点数の差はほとんどありませんでした。
この実験の結果から、「要約することの学習効果はあまり認めらない」ということが言えそうです。要約をしてもしなくても点数に違いがないのですから。
しかしながら、要約の中身を詳しく調べてみると興味深いことがわかりました。要約をしたAグループの約3分の2が、きちんと要約できていなかったのです。
そして要約をきちんとできている大学生は、他の大学生よりも正答率が高かったということもわかりました。
ここから何が言えるかというと、「要約をしっかりできる人には、要約は効果的な学習方法かもしれない」ということです。つまり一概に「要約は学習効果が低い」とは言えないようです。
話をまとめますと、「要約は、きちんとまとめられない人には効果が見込めない。その反対にきちんとまとめられる人には効果が見込める。しかし多く人はきちんとまとめられない。よって多くの人にとっては、要約は効果的な学習法であるとは言えない。要約は一部の人にだけ効果的である」ということになります。
きちんと要約ができない人は、何かをまとめるという勉強方法を採用しない方がよさそうです。